2026年8月9日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、ドイツの週刊誌Focus(フォークス)の報道を引用し、中国による重要原材料の輸出規制拡大に伴い、ドイツの製造業で生産停止のリスクが深刻化していると報じた。

記事は、ドイツ経済研究所(IW)が約900社のドイツ企業を対象に実施した調査結果を紹介。

製造業全体の約20%、特に影響が大きい金属・電気・自動車産業では25%を超える企業がリチウムやガリウム、レアアースなどの重要原材料に依存しており、重要原材料に依存する企業の6割が中国のさらなる規制拡大による生産停止や遅延を懸念していることが明らかになったとした。

また、対象企業の9割が将来的な重要原材料の調達コストの上昇を見込んでいるほか、7割が供給不足、4割が顧客の喪失を懸念していると伝えた。

記事はその上で、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が重要原材料における自国の優位性を熟知しており、米国や日本、ドイツなどへの供給遮断や、技術・ノウハウの国外流出防止を狙って規制を強めていると解説。中国は低価格ダンピングにより競合を市場から排除して採掘・加工分野を独占し、現在は輸出規制を地政学的な圧力ツールとして活用しているとした。

一方で、欧米諸国は失われた開発・技術能力を短期間で補うことに苦慮しており、自主的な調達・リサイクル能力の強化を目指すEUの「重要原材料法(CRMA)」も官僚主義や手続きの停滞により推進が遅れていると指摘した。

記事はこのほか、ドイツの工業企業の9割が材料の利用効率化や長期供給契約、調達先の多角化といったリスク分散対策にすでに取り組み始めていると紹介。中国への依存を減らすために「著しく高いコスト」を容認する企業が41%、「わずかなコスト増」を容認する企業が42%に上り、計83%の企業がコスト増加を受け入れてでも安全な調達先の確保を進めていることが分かったとも伝えた。

その上で、IWの経済学者アドリアナ・ネリガン氏が「供給網の断絶は企業の存続に関わる危機であり、企業独自の資金投入やリスク分散努力だけでは限界がある」と指摘し、重要金属の採掘支援や重要原材料のリサイクル強化など、企業がリスクを低減できる必要な環境整備を迅速に行うよう政府や政策立案者に求めたと報じている。(編集・翻訳/川尻)

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