2026年10月31日、香港メディア・香港01は、GMOインターネットグループのクラウドサービスが不正アクセスを受け、攻撃者から金銭を要求された問題で、香港の識者が独占の危うさを指摘したと報じた。

香港01が紹介したのは、シンクタンク「思哲研究所」の李冠儒(リー・グアンルー)青年問題・教育担当ディレクターによる論評だ。

論評は、FX自動売買向けの「お名前.com デスクトップクラウド」がハッカー集団にマルウェアを仕込まれ、影響を受けた可能性のあるサーバーは2万6739台に上り、攻撃者は身代金の支払い期限が過ぎると顧客情報の一部を公開し始めたと伝えている。

その上で、あるFX専門家が2つの致命的な問題を指摘したことを紹介。1つは、GMOがサポート担当に全利用者の扉を開けられる「合鍵」を持たせていたため、これを盗んで多数の顧客の仮想デスクトップを直接管理できたとハッカーが主張していること、もう1つは、利用者の自宅パソコンのハードディスクがクラウドにつながる仕組みで、サーバーを乗っ取られれば利用者のパソコンまで感染しかねない状態だったことだという。

李氏は、業界関係者がこの脆弱性について、7年前に技術者が見つけていたにもかかわらずGMOは長年放置してきたと指摘し、別の専門家が「今はAIが24時間脆弱性を探しており、こんな格好の獲物を見逃す理由はない」と語ったことを紹介した。

また、SNSで「GMOなど潰れてしまえ」との声が出ていることに対し、日本国内のドメイン管理市場の約8割を握るGMOが大手ECサイトのカード決済などを支える基幹システムの提供元でもあり、倒れればあらゆるシステムが全面的に止まることから、暴言は感情論によるものとの見方を示した。

さらに、GMOが身代金の支払いを拒み、1人約248香港ドル(約5000円)の見舞金や、不正取引による損失の全額補償などを打ち出したことにも触れた上で、パソコンへの感染や個人情報の流出への不安は金銭では拭えないと指摘した。

李氏は、セキュリティー対策の弱い一社に重要な役割を独占させたことで大きなトラブルとなった今回の教訓を、香港も生かすべきだと結んでいる。(編集・翻訳/川尻)

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