メタリカ最大のヒット曲は『Enter Sandman』だが、もしこの曲がメタリカに最も大きな影響を与えたバンドのアイアン・メイデンによって作曲されたものだったらどうなるか? ボルエが1980年代のアイアン・メイデンのスタイルで演奏したリスペクトフルなカバー動画が話題になっている。
英メタル・ハンマー誌によって取り上げられたこのカバーは、ボルエがアイアン・メイデンのメンバーたちの仮面を被りながら、一人でボーカル以外の全パートを演奏している。「Enter Sandman」の印象的なイントロのリフはより重々しく、サビにはよりアイアン・メイデンらしいハーモニーとこれ見よがしのトリルを見せつけてくれる。ボーカルを務めたロビン・ロイは、アイアン・メイデンのボーカルであるブルース・ディッキンソンのまるで空襲警報のようなハイトーンを非常に巧みに再現。曲の終わりにかけて、お決まりの「Scream for me……」を披露している。
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約10年前、ディッキンソンはうっかり口を滑らせ、アイアン・メイデンを「メタリカよりも良い」、「メタリカは俺たちよりも大きいし、チケットもたくさん売っている。賞を受け取った曲もおそらく多いだろうし、中流以上のブルジョワだって奴らのショーを見に行ってる。でも奴らはメイデンじゃない」と、語った。もちろんこれはディッキンソンのジョークだが、テレビのニュース番組向けに短く編集されるまでは、彼が具体的になんと言ったのかは明らかにはなっていなかった。
ここで2017年のローリングストーン誌によるブルース・ディッキンソンへのインタビューを振り返ってみよう。彼は、当時の発言をただの挑発みたいなものだと言っていた。当時のインタビューで彼は「俺たちはメタリカといい関係を築けている」、「あの発言はメタリカを標的にしたものじゃない。世界中に向けて、『俺たちが帰ってきたぞ。
もちろんメタリカもこのジョークを真に受ける事などしなかった。メタリカはすでに、1987年発表のEP『Garage Days Re-Revisted』でアイアン・メイデンにリスペクトを示している。このアルバムのアウトロは、アイアン・メイデンの『Run to the Hills』のイントロに続くようになっていた。それに対してアイアン・メイデンは、モントローズの『Space Station No.5』のカバーの最後で、メタリカに向けてのメッセージを返していた。
From:What If Iron Maiden Wrote Metallicas Enter Sandman?