10位 「Mystery Train」
サム・フィリップス(サン・レコード創立者)とトム・パーカー大佐がエルヴィスの契約をRCAに4万ドルで売却する数カ月前に、エルヴィスはサン・スタジオに戻って、このジュニア・パーカーによる1953年の楽曲を録音した。ギターにスコッティ・ムーア、ベースにビル・ブラック、ドラムにジョニー・バーネロを配し、エルヴィスはブルージーな原曲をアップテンポにアレンジしている。この新バージョンはビルボードのカントリーチャートで11位まで登り詰めるが、その数カ月にRCAが「Heartbreak Hotel」をリリースすると、それ以前にエルヴィスが発表したあらゆるものがすっかり霞んでしまった。それでも「Mystery Train」は、今でも最も愛されているエルヴィス楽曲の一つである。
9位 「Kentucky Rain」(邦題:雨のケンタッキー)
エルヴィスは70年代における最初の一歩を、エディ・ラビットとディック・ハードが作曲した哀愁のシングル「雨のケンタッキー」を1970年1月にリリースすることで力強く踏み出した。この曲はビルボードHOT 100で16位を記録し、100万枚以上を売り上げたが、ライブショーではたった数週間しか歌われなかった。
8位 「An American Trilogy」(邦題:アメリカの祈り)
エルヴィスが「An American Trilogy」を歌い始めた1972年の時点で、南北戦争は100年以上も前に終わっていたが、その傷跡はまだアメリカ中に深く刻まれていた。この曲はナッシュヴィルのプロミュージシャン、ミッキー・ニューベリーの作品で、まるで南北を統一するかのように「ディキシー」「リパブリック讃歌」「私の試練」を合体させ、スケールの大きな愛国的組曲に仕立て上げている。彼がどうにか4分半にまとめることで完成したこの曲は、晩年の5年間におけるコンサートのハイライト曲となった。
7位 「Heartbreak Hotel」
多くのアメリカ人が最初にエルヴィス・プレスリーの名前を覚えたのは、1956年初頭に「Heartbreak Hotel」がラジオから流れてきたときのことだった。それ以前のエルヴィスの活躍はローカルなものにすぎなかったが、新しく契約したRCAのテコ入れで、彼はこのHOT 100で7週連続1位を獲得することになる曲を録音したのだった。これを契機にエルヴィスはテレビにも出演するようになり、全国的なエルヴィス・ブームが巻き起こることになる。
6位 「Love Me Tender」
1956年のエルヴィス・プレスリーみたいな一年間を経験したエンターテイナーはそういるものではない。シングル曲は次々とチャート上を舞い上がり、どこへ行っても声の限りを尽くして叫ぶ少女の大群がつきまとい、親たちはエルヴィスが若者を堕落させていると確信していた。この年の最後のNo.1ソングが、ケン・ダービー作曲のバラード「Love Me Tender」である。同名映画の封切り直前に、彼は「エド・サリヴァン・ショー」でこの曲を演奏している。
5位 「Cant Help Falling in Love」(邦題:好きにならずにいられない)
晩年のエルヴィスによるコンサートでは、「Cant Help Falling in Love」のイントロが流れ出すと、ファンはまもなく終演であることを悟った。1961年のエルヴィス主演映画『ブルー・ハワイ』用に書かれた、この夢のような曲は、彼のカムバック後のショーで毎回ラストソングとして歌われた。スウィートな真実の愛の歌は、楽しい夜を締めくくるのにぴったりだった。この曲はボブ・ディランやU2など多くのアーティストにカバーされており、UB40によるバージョンは1993年に大ヒットしている。
4位 「Jailhouse Rock」(邦題:監獄ロック)
「Jailhouse Rock」は、エルヴィスが主演した1957年の同名映画のために、ジェリー・リーバーとマイク・ストローラーが書き下ろした曲だ。”君ったらかわいい囚人/ねえ、僕と一緒にどう?”といったくだりをエルヴィスがどこまで理解していたかは定かでないが、リスナー側が囚人どうしのロマンスを仄めかした歌詞に理解を示したことで、「Wake Up Little Susie」(エヴァリー・ブラザース)をチャートの頂点から引きずり下ろしている。
3位 「In the Ghetto」
60年代のエルヴィスは陳腐なB級映画と精彩を欠いたサウンドトラックを量産し、ビートルズやボブ・ディランといった新興勢力の台頭に隠れて、過去の遺産となりつつあった。
2位 「If I Can Dream」(明日への願い)
マーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺された2カ月後、エルヴィスはウェスタン・レコーダーズ・スタジオに赴き、この感動的なトリビュートソングを亡き市民権の英雄のためにレコーディングした。さらにエルヴィスは、1968年のカムバック特番のクライマックスに、ありったけの思いを込めてこの曲を熱唱。この曲はHOT 100で最高12位を記録し、現在でも彼のキャリアで最も優れた歌唱パフォーマンスの一つと評価する向きも多い。
1位 「Suspicious Minds」
エルヴィスが「Suspicious Minds」をレコーディングしたとき、妻プリシラとの結婚生活は2年目に入ったばかりだったが、2人の関係はすでに壊れ始めていた。エルヴィスがこの曲に自分の失望感、とりわけ夫としての失敗を反映させているのは明らかだ。作曲者はマーク・ジェイムス。この曲はエルヴィスにとって7年ぶりのNo.1ヒットとなり、しばしばライブのハイライトで歌われた。
From Rolling Stone US.

『エルヴィス』
大ヒット上映中
監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー、トム・ハンクス、オリヴィア・デヨング
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/elvis-movie/

『エルヴィス』オリジナル・サウンドトラック
配信中/CD:7月29日世界同時発売
再生・購入:https://elvisjp.lnk.to/OST