今週末は、この映画に胸アツ!『猿の惑星 キングダム』はラストの感動に打ち震えるはず!

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映画の歴史を変えた作品は数々あるが、“衝撃”という意味で今なおそのインパクトが変わらないのが、1968年の名作『猿の惑星』だろう。猿に支配された惑星。その真実は……というラストは、もはや説明不要。そのリブートとして2011年に新たにはじまったシリーズも今回で4作目。マンネリ化などという言葉は無縁で、またも新たな地平を切り開く一作となった。

前作『猿の惑星:聖戦記』では、猿の英雄となったシーザーと、彼に反旗を翻す一派によって、猿たちも分裂。その状況でシーザーの妻子が人間に殺され、戦いはドロ沼化した。今回は、その300年後が舞台。猿と人間の立場は完全に逆転し、言葉を話す猿たちが社会を支配。会話能力も失われた人間たちは森の奥に隠れ住んでいたりする。この状況は、1968年のオリジナル版に近いかも。300年前に亡くなったシーザーは英雄として祀り上げられており、新たな独裁者のプロキシマスが巨大な帝国“キングダム”を築こうとしていた。若き猿のノアはプロキシマスの一派によって村を追われ、関わってはいけないとされる人間の女性ノヴァと出会う。そのノヴァは、じつは帝国建国の運命に関わる“秘密”を握っていた……。

完璧な言語(ハリウッド映画なので当然、英語)でコミュニケーションし、さまざまな文化も作り上げている猿たち。かつて人間が作った建造物を、猿たちがどう再利用しているのか。その状況が、いくつもの壮大なスケールの映像で迫ってきて、ひたすら息をのむ。2011年からのこのシリーズは、俳優たちの演技をモーション・キャプチャーでCG化してきたが、今回はその技術の進化が異次元レベルになっている。それぞれの猿の個性が鮮やかに伝わり、とくに独裁者プロキシマスの怖さは尋常ではない。本作から監督を任されたウェス・ボールは、次回作として人気ゲーム『ゼルダの伝説』の実写を手がける話題の人。スピーディなアクション場面もカット割りや編集が巧みなので、その才能は是非スクリーンで確認を! アクション映画として怒涛の興奮を味わいながら、ノアとノヴァの結託が現代の人間社会に生きるわれわれに何を投げかけるのか? その答えに近づくラストは感動に打ち震えるはずだ。

『猿の惑星 キングダム』5月10日公開
製作・監督/ウェス・ボール 脚本/ジョシュ・フリードマン 出演/オーウェン・ティーグ、フレイヤ・アーラン、ケヴィン・デュランド、ウィリアム・H・メイシー 配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン



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文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
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