近年、台湾は空前のラーメンブームとも言われ、台北市内でも何百件というラーメン屋が軒を連ねている。食事時には、ラーメン店の前に長い行列ができることも珍しくなく、有名店ともなると30分待ちも当たり前、という状況が起こっている。
ラーメンにあまり関心のない人から見れば、「なぜ、たかだかラーメンのためにそんなに時間を費やすのか」とも感じるかもしれない。台湾メディアの鳴人堂は「日本のラーメンは、日本の庶民文化の粋を集めた逸品」と称賛している。

 記事はまず、日本のラーメンから理解できるのは「日本のソフト開発力のすごさ」と語る。当初は、単なる庶民の味だったラーメンを、一流のグルメにまで引き上げ、現在ではミシュランガイドにも取り上げられるほどのメニューにグレードアップさせたのも日本人。さらに、ラーメンを取り上げるドラマ、テレビ番組やアニメなどが多数あるのも、ラーメン文化というコンテンツを広めることに貢献している。「おかげで、以前は麺をすすることはマナーに反すると思われていたが、今では台湾でもラーメンとはすすって食べるもの、との認識が定着している」。ラーメンは日本の食文化まで輸出している、というわけだ。

 さらに、ラーメン文化には日本の食文化も反映されている。各地にご当地ラーメンがあり、その土地のグルメが取り入れられている。各地でラーメンを食べれば、その土地のグルメを同時に味わえるのだ。また、趣向を凝らしたオリジナルのラーメンも食べる価値があり、創意工夫を凝らし、独自の味を開発する、その「コンテンツ開発力」もみならうべき、と称賛している。

 記事は、「ラーメン店が並んでいても、あきらめて帰らないで! スープをすすれば、きっと”来てよかった”と感じるに違いない」とまとめている。
(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)
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