「二の舞を演じる」と似た意味で、中国には「前車之鑑」という成語がある。「前車の覆るは後車の戒めなり」という意味で、転じて前人の失敗から教訓を学ぶように戒めるものだ。
中国メディアの網易は16日、日米という「前車之鑑」がありながら、中国経済は不動産に頼っていると指摘する記事を掲載した。
  
 中国の急速な経済成長が、不動産に一定程度支えられてきたというのは事実だろう。記事はまず「自由市場経済とはこういうものだから仕方がない」と指摘し、不動産市場が加熱するのを許してきた中国政府を擁護した。中国では不動産を投資目的で購入する人が多く、価格が異常な水準にまで吊り上がり、住宅は過剰に建設されているのに一般市民は高すぎて購入できない、という矛盾した事態になってきた。

 日本や米国では過去に不動産バブルが生じ、バブルの崩壊も経験してきたが、中国も日米と同じ道を辿るのだろうか。記事は、失敗を避けるために中国は「住宅改革」が必要になるとの見方を示した。
これまでも、公有住宅の建設や低所得者向け住宅を建設し、家賃の安い家を提供するようにしてきたが、これを継続することは重要だと論じた。加えて、一般市民に手が届かない高級住宅や高級オフィスビルの代わりに、現実的な価格の住宅を多く建設し売買するように提案した。

 そうなれば、不動産市場の過熱感を解消して、経済の発展促進にもつながり、関連業界の活性化で就業問題の解決にもなるほか、社会の安定にもつながるとポジティブに締めくくった。

 記事は「住宅改革は、ヒートアップしすぎた不動産熱のリスクを効果的にコントロールすれば良い」としているが、現実にはすでに不動産価格は庶民の手の届かない価格になっている。しかも、空き家が数多く存在し、空き家率も非常に高いとされているなかで、果たして「リスクを効果的にコントロールする」ことは可能なのだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)