メンツを大切にする中国社会では、友人や知人らと食事する場合、皆が「おごりたがる」のが普通で、会計時には「自分が支払う」と皆が言い出すほどだ。そのため、「割り勘」が定着している日本は「ケチ」に感じるようだが、本当にそうだろうか。
中国メディアの網易は26日、「割り勘をする日本人は本当に心が狭いのか」を分析する記事を掲載した。

 記事の中国人筆者は日本で留学していたことがあるようで、学生時代はよく日本人の同級生らと「割り勘」をしたと紹介している。最初こそ、1円までしっかり計算するのに抵抗があったようだが、慣れてくると「割り勘も悪くない」と思うようになったと伝えている。

 割り勘の一番良いところは「ストレスから解放される」ことだという。誰が払うか分からない中国の食事会では、全員分を払えるだけのお金を用意しておく必要がある。今はモバイル決済が主流になったが、現金払いだった頃は十分な現金を準備しなければならず、準備できなければ誰かから借りてでも用意していたものだったという。
また、食事中も誰が払うことになるか気が気ではなく、自分の分さえ用意すればよい日本の習慣は確かに気軽だと言えるだろう。

 また「割り勘」の文化は、子どもの教育にも良いと称賛している。この筆者は、日本のママ友たちがそれぞれ自分の子どもを連れて公園で待ち合わせする際に、「各自がお菓子とおもちゃを持って集まる」と紹介している。それぞれが持って来たお菓子とおもちゃを出し合い、シェアして「一緒に食べ、一緒に遊び、最後は分けて持ち帰る」様子を見て、小さな時から自然と、「平等さ」や「他人に迷惑をかけない」ことを学んでいると感心したそうだ。

 割り勘の文化は、「ケチ」というよりも非常に合理的で平等な方法と言えそうだ。中国でも最近では、日本の習慣を真似て「AA制」と呼ぶ割り勘の習慣が入ってきたが、年齢が上がれば上がるほど割り勘に抵抗を感じる人が多いのが現状だ。
やはり、メンツは中国人にとって何よりも重要なのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)