中国では言論に対する制限があり、少数民族への弾圧も厳しくなっていると言われ、「宗教」への締め付けも強まっているというが、キリスト教徒は増えているのが現実だという。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、「中国でキリスト教が広がっている理由」を、日本と韓国と比較することで分析している。


 動画ではまず、中国でどれだけキリスト教徒がいるかについて、ざっくりと「1億人程度と言われている」と伝えている。これは政府公認の教会に加えて、非公認の「家庭教会」と言われる地下教会の信徒数も含めた数だ。もしこの推測が正しければ、14人に1人はキリスト教徒ということになる。動画はさらに、昔からある仏教や道教の宗教施設数は4万2000程度なのに対し、キリスト教の教会は6万2000もあるとその多さを伝えている。

 近代の中国で、ここまでキリスト教が広まったのはなぜだろう。動画は「日本と韓国の例と比較すれば分かる」と伝えている。
日本にはキリスト教徒は多くないが、これは自国文化に対する自信の表れだと主張した。

 韓国の場合、キリスト教徒は非常に多く、人口の4割近くを占めると言われている。外国の宗教がここまで受け入れられた理由について、動画は「自分の文化があまりなかった」ためだと分析した。中国文化をそのまま取り入れてきた韓国が、中国から離れようとした結果、自然と西洋の文化や宗教を取り入れることになったためだと主張している。

 動画では結論として、中国でキリスト教が広まっているのは「中国文化の弱体化」と、それに伴う「西洋崇拝」が主な理由だと主張した。今後は「自国の文化を強めなければならない」と締めくくっている。
動画からはキリスト教徒が増えることに対する警戒感が伝わってくる。中国は近年、キリスト教に対する締め付けを強めており、配信者は当局の意向に沿った主張をしているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)