日本を訪れたことのある中国人の多くが、かつての中国文化が日本に残っていると感じるようだ。そのため、日本は「中華文明圏」に属すると思っている中国人は少なくないが、実は中華文明と日本文明は異なると言えるようだ。
記事は、米国の政治学者サミュエル・P・ハンティントン氏が、世界各地の文明を区分した際、中華文明と日本文明を分けたことを指摘した。多くの中国人はこれに異議を唱えたくなるのだが、日本文明をよく見てみると中華文明との違いが見えてくると分析している。
記事が挙げた違いの1つが「核心的な価値観の違い」だ。中国では皇帝が全土を統一して支配してきたのに対し、日本は天皇に実権がなく象徴的な存在に過ぎなかったと分析した。歴史的にも実権を持ってきたのは武士階級で、地方自治の色合いが強かったとしている。
さらに、「宗法制度」という違いもあると分析した。中国では家父長制であり嫡長子が家を継ぐので、中国の歴史では武則天が無理やり皇帝の座を奪った例を除き女性皇帝はいない。これに対し、日本には過去に8人もの女性天皇が合法的に天皇の座についているとの違いがあると指摘した。そして、中国では家督を継ぐのに何より血縁を重視するが、日本では男子が生まれなかった場合に養子を迎えて家督を継がせることが多く行われてきているので、血縁より西洋の契約関係に近いと説明している。
ほかにも、日本には中国にない「神道」という宗教があることや、中国で長く伝統となってきた「科挙」や「宦官」制度も日本にはないことを指摘した。