海外旅行に出かける中国人が、日本滞在時に驚くことといえば「ホテルのチェックアウト時にルームチェックがない」という点だ。中国では、退室時に必ずルームチェックが行われ、備品の紛失や破損などがあれば、その際に必ず請求される。
日本でこのチェックが行われない理由について、中国メディア網易が説明している。

 中国ではホテル滞在時に必ず身分証明書の提示が求められ、デポジットの支払いが必要だ。チェックアウト時に部屋に問題がないことが確認されれば、このデポジットは返却される。一方、日本のホテルではチェックアウト時にそのままホテルを出られるため、「部屋をチェックしなくても大丈夫なの?」と心配する中国人観光客は多いようだ。

 日本でルームチェックをしない理由の一つが、顧客への信頼。ホテルは顧客の実名を聞き記録している。万一備品の破損等があれば、名前がブラックリストに載り、そのホテルに宿泊することはできなくなる。さらに、ホテルの部屋の備品には保険がかけられているため、紛失や破損については保険会社から支払われる。また、ホテルの清掃については、ハウスキーピングだけでなく、定期的に専門の業者によるハウスクリーニングが行われるため、徹底した衛生管理が行われている。こうした、徹底した管理により、宿泊客がリラックスして宿泊できるよう工夫されているのだ。

 ホテルは宿泊客にとっては家のようなもの。家に帰ってきたのに、備品の紛失を疑われてはあまり気分のいいものではない。
宿泊客とホテルの信頼関係こそが、心地よいサービスの基本になっている、ということだろう。記事も「こうしたサービスについては我々も学ぶ必要がある」とまとめている。(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)
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