外務省によると、2020年10月1日の時点で上海市には3万9801人の日本人が在留登録していた。そんな上海では日本人客をターゲットとしたサービスを展開する店も少なくないが、これは中国人にとっては「不快なこと」のようだ。
中国のQ&Aサイト知乎にこのほど、上海で見かける日本人向けのサービスに苦言を呈する文章が掲載された。

 記事の中国人筆者はまず、上海の携帯ショップに掲げられた看板を紹介した。それは、スマートフォンへの硬化ガラスの貼り付けサービスを無料で提供することを知らせるものだ。キャンペーンの内容はすべて日本語で書かれていて、日本語が分かる中国人が好奇心からこの店に入って尋ねてみたところ、店員の態度は非常に冷たく、「これは日本人だけが受けられるサービスだ」と突っぱねられたという。

 中国人筆者は、「なぜ我々の地盤で日本人だけが参加できるキャンペーンを行うのだ」と怒り心頭の様子だ。ところが、上海では同様に日本人を優遇する店が多々見られるらしく、他のネットユーザーからも指摘があったようだ。

 例えば、上海のとあるラーメン店に入った中国人によると、店員は日本人客に対しては進んでお冷出し、お薦めの品を熱心に説明していたが、この中国人に対してはまともな接客がなかったそうだ。それで「1つの店なのにまるで2つの別の店のようだ」と感じたという。それで中国人筆者は、こうした違いに怒りを感じているようで、「日本に媚びている」と強く非難している。

 これに対し寄せられたコメントを見ると、スレ主に賛同する人が少なくなかったが、なかには「日本の店でもコロナ前は、日本人が参加できない中国人向けの割引セールなどをやっていた。日本の建国記念日や天皇誕生日でも特別な垂れ幕をしないのに、中国の国慶節の時には国慶節を祝う垂れ幕を掲げていた」との指摘があった。

 確かに中国人旅行客の取り込みに積極的に取り組んでいた商業施設では国慶節の時期になると「中国語」で中国の建国を祝う文言が書かれた「真っ赤な垂れ幕」を掲げるケースが多く見られたものだ。
結局のところ、特定の人を対象にした販促キャンペーンはどこでも行うものであり、あまり目くじらを立てる必要はないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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