数字に意味を持たせるという考えは世界のどこにでもあるものだ。日本でも8は末広がりとして縁起が良いとされている。
中国は漢字文化のため、漢字を数字に置き換えた語呂合わせで独特の意味を持つ数字もある。たとえば520は「アイラブユー」、99が「永遠の愛」といった具合だ。

 しかし、これらの数字は相手が理解していなければ意味のないただの数字の羅列になってしまうものだ。中国の動画サイト・西瓜視頻にこのほど、「彼氏の親に101元もらった。男とはソッコー別れた」と腹を立てる動画が投稿された。

 配信者は22歳の中国人女性で、初めて彼の実家に行った時の話を披露している。
彼の実家は農村部にある家だったそうだが、決して貧しくはない様子だったという。実家ではごちそうを用意して歓待してくれ、彼の母親から「紅包」に入ったお金をプレゼントされたと話している。日本では同じようなシチュエーションでいきなり現金を渡すというのはありえない話だが、中国では珍しいことではない。

 しかし、配信者の中国人女性は「紅包」があまりに薄いことが気になり、あとでこっそり見たところ、「100元札が1枚と、1元コインが1つしか入っていなかった」とあまりの少なさにショックを受けたそうだ。101元を日本円にすると1700円程度だ。

 この女性は、「彼氏の家族から101元の価値しかないと見くびられた」と理解し、非常に腹を立てて帰り、一方的に彼氏に別れを告げたと述べている。
おそらく彼氏の母親は、101という数字に「百里挑一(100に1つというほど得難いもの)」という意味を込めたのだろうが、その思いはこの女性に届かなかったようだ。「ある友人は彼氏の母親から6000元(約10万円)もらった。せめて2000元(約3万4000円)なら私も腹を立てることがなかったのに」と息巻いていた。

 中国では、「百里挑一」という四字熟語は広く知られているらしく、コメント欄には「母親の方に学がある。配信者は知識も礼儀もない」といった厳しい意見が多く寄せられた。女性に対し、「結局お金か」、「真の愛はお金では測れない」などと諭す人もいた。


 男性の母親が、本当はどのようなつもりで101元を渡したのか、真意は想像するほかないが、女性は数字に深い意味が込められている可能性を考えることさえなかったようだ。中国の若い世代では、むしろこの女性のように金額の大きさで人の価値を測ったり、他人と比べたりするほうが、より一般的な反応なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)