中国のポータルサイト・網易に13日、江蘇省南京市の観光スポットで、ガイドと思しき男性がガイド用の旗の代わりに「こいのぼり」を掲げていたことで観光客から非難を受けるトラブルが発生し、ネット上で物議を醸したとする記事が掲載された。
 
 記事は、同市の中山陵で12日に観光客が撮影した動画がネット上で拡散し、またたく間に議論を呼んだと紹介。
動画にはガイドと思われる男性がガイド用の旗の代わりに、日本で江戸時代から現在まで5月5日の端午の節句に合わせて軒先に飾られるこいのぼりを棒に吊るして掲げる様子が写っていたとした。
 
 そして、こいのぼりを見たある観光客が男性に対して「それはいけない。こいのぼりは日本のものだから、外すべきだ」と非難すると、男性は「こいのぼりは中国から日本に伝来したものだ。わかるか」と反論、しばらくして男性がその場を離れたところで動画は終了したと伝えている。
 
 その上で、中国のネット上では意見が真っ二つに別れていると紹介。一方は「民族の自尊心が歪んで、ガラスハートになってしまっている」、「ここまでの反日の必要があるのか?」、「日本車や日本製の家電を使っている人はどうするのか」など、観光客の指摘を行き過ぎだと認識しており、もう一方は「こいのぼりを泳がせたいなら自宅でやればいい。中山陵で掲げるのは不適切」、「由来がどうであれ、現状は日本の文化を象徴するもの。物議を醸すような際どい行為は慎むべきだ」など、観光客の行動を支持し、男性を非難するものだとした。
 
 日本人からしてみれば、こいのぼり一つで大騒ぎするのはあまりに敏感すぎるという感が否めない。記事は今回のトラブルについて、中国国内の一部の人が日本文化に対して拒絶反応を示した事例のあくまで「氷山の一角」に過ぎないとし、今月1日から1週間続いた国慶節連休期間にも、アニメ展の会場内や地下鉄車内で日本の和服を着た人が出現し、同じように大きな議論を呼んだことを伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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