日本人の匠の精神は、日本の製造業を支え経済発展に大きく寄与してきた。何事にも大らかな中国人からは、日本人の手を抜かない仕事ぶりが称賛されてきたが、匠の精神は良いことばかりなのだろうか。
中国メディアの網易は22日、日本の匠の精神は良し悪しだと主張する記事を掲載した。

 記事の中国人筆者は、コロナ前は毎年のように日本に来ていて、日本人の匠の精神に感銘を受けることが多かったというが、国の発展には「諸刃の剣」になると感じているそうだ。匠の精神を、プラスとマイナスの両面から分析している。

 まずは、匠の精神の良いところだが、これはいくらでも思いつくようで、記事ではたくさんの例を紹介している。例えば日本では「タクシーのドライバー」でさえ、折り目の付いたワイシャツを着ていて清潔だったことに驚いたそうだ。中国ではワイシャツを着ている人自体が多くはないが、毎日アイロンを当てている人はもっと少ない。また、九州のある駅で駅弁を買ったときも、包み紙からおかずまでこだわりぬかれた弁当を、たった650円で販売していたことにも感銘を受けたそうだ。

 日本では、タクシーから駅の売店まで、どこででも「匠の精神」を見ることができるが、記事はそれがかえって日本経済の足を引っ張っていると主張した。匠の精神のマイナス面として記事は、日本企業は技術の追求に打ち込みすぎて、市場の変化に付いて行けないことがあるとしている。だから世界で電気自動車が流行りだしても流れに乗れず、置いて行かれたと説明した。

 日本の匠の精神は、これまで中国人に感銘を与えてきたものの、中国人には見習うのは無理で、見習う必要もないと感じているようだ。それはやはり、目に見えて分かりやすい結果を求めるからだろう。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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