新幹線は、輸送効率の高さに加えて安全性でも高く評価されている。地震が多く発生する国でありながら、高速で走行する新幹線がなぜここまで安全を確保できているのだろうか。
中国メディアの百家号はこのほど、新幹線の地震対策について紹介する記事を掲載した。中国の対策についても分析している。

 記事は、2011年の東日本大震災の際に、走行中だった東北新幹線が緊急停止し、脱線車両もなく、1人の怪我人も出なかったと称賛した。これは、新幹線には「早期地震検知システム」が設置されているためで、地震の初期微動(P波)を検知して、主要動(S波)が来る前に変電所に警報を出して送電を止め、緊急停止させるシステムだと紹介した。

 では、中国高速鉄道の地震対策はどうなっているのだろうか。記事は、2008年の四川大地震と2011年の東日本大震災の発生後、専門家を招集して地震対策を検討し、高速鉄道の建設に耐震措置をとることや地震観測・警報システムを導入することにしたと紹介した。


 それで、中国高速鉄道は高架橋やトンネルが非常に多いが、「耐震設計と施工技術は非常に成熟しているので耐震は問題ない」と読者を安心させた。2013年には早期地震検知システムをすでに開発し、試験運用も終了しており、2021年から正式に運用を開始すると伝えているメディアもあるという。

 しかし記事は、2011年に浙江省温州市で発生した高速鉄道の追突事故のことなどを考えると、中国の場合は地震対策で最も大きなリスクや脅威となるのは、人の「管理や監督不足」にあると分析した。システムそのものは良くても、運用する人間に不注意があることの方が恐ろしいということのようだが、これは言い得て妙かもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)