19日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比186.22ポイント(1.11%)安の16550.90ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が60.90ポイント(1.04%)安の5787.25ポイントと反落した。売買代金は497億230万香港ドルとなっている(18日の前場は551億7160万香港ドル)。

 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。米金融政策の動向が気がかりだ。19~20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、政策金利見通しなどが公表される。通貨を米ドルにペッグする香港は、米金融政策の影響が大きい。結果を見極めたいとして、様子見ムードも漂った。そのほか、米中対立の警戒感もくすぶっている。
ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国当局の消費刺激策や、産業支援策などに対する期待感が支えだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が9.3%安、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が6.7%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が4.9%安と下げが目立った。理想汽車に関しては、同社初となるBEV(純電気自動車)「理想MEGA」の販売が自社予想を下回ったと伝わり、これを失望した売りが広がっている。報道によれば、3月1日に納車開始したフラッグシップモデル「理想MEGA」の販売台数は約4000台にとどまり、3月の生産見通し5000台を下回っているという。
 セクター別では、自動車が安い。
上記した理想汽車のほか、浙江零ホウ科技(9863/HK)が8.0%、蔚来集団(9866/HK)が6.3%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が5.1%ずつ下落した。
 半導体セクターも売られる。上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.7%安、晶門半導体(2878/HK)が3.3%安、華虹半導体(1347/HK)が2.2%安、ASMPT(522/HK)が2.1%安で前場取引を終えた。
 中国の証券・保険セクターもさえない。海通証券(6837/HK)が3.0%安、広発証券(1776/HK)と中信建投証券(6066/HK)がそろって2.5%安、中国人民財産保険(2328/HK)が2.6%安、新華人寿保険(1336/HK)が2.2%安で引けた。
 半面、石炭・石油セクターはしっかり。
エン鉱能源集団(1171/HK)が2.1%、中国中煤能源(1898/HK)が1.6%、中国神華能源(1088/HK)が1.0%、中国石油天然気(857/HK)が2.7%、中国海洋石油(883/HK)が2.1%ずつ上昇した。
 一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.39%安の3073.03ポイントで前場の取引を終了した。医薬株が安い。自動車株、金融株、ハイテク株、インフラ関連株、不動産株、公益株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。
食品・酒造株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)