週明け15日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比121.23ポイント(0.72%)安の16600.46ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が23.14ポイント(0.39%)安の5856.44ポイントと3日続落した。売買代金は951億5490万香港ドルとなっている(12日は1062億1830万香港ドル)。

 内外環境の不透明感が重し。米国のインフレ高止まりや中東地域の地政学リスク増大、中国経済指標の下振れなどがネガティブ材料だ。うち、12日公表された今年3月の中国金融統計では、人民元建て新規融資額とマネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びが予想をそろって下回っている。3月の貿易統計では、米ドル建ての輸出が前年同月比で7.5%減少し、昨年10月以来、5カ月ぶりのマイナス成長。市場予想(1.9%減)を超えた下げとなっている。輸入は予想外のマイナスに落ち込んだ。
(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が7.9%安、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)とマカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)がそろって4.6%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が安い。雅居楽集団HD(3383/HK)が7.5%、中国奥園集団(3883/HK)が7.0%、中国海外宏洋集団(81/HK)が4.3%、建発国際投資集団(1908/HK)が3.9%ずつ下落した。
 自動車セクターも売られる。小鵬汽車(9868/HK)が4.7%安、蔚来集団(9866/HK)が2.9%安、吉利汽車HD(175/HK)が2.1%安、理想汽車(2015/HK)が1.5%安で取引を終えた。
 カジノや映画などレジャー関連もさえない。
上記した金沙中国のほか、新濠国際発展(200/HK)が4.2%安、美高梅中国HD(2282/HK)が4.0%安、歓喜伝媒集団(1003/HK)が11.1%安、阿里巴巴影業集団(1060/HK)が5.5%安で引けた。
 半面、石油・石炭セクターはしっかり。中国石油天然気(857/HK)が2.2%、中国石油化工(386/HK)が1.8%、中国海洋石油(883/HK)が1.5%、中国中煤能源(1898/HK)が3.5%、中国神華能源(1088/HK)が1.2%ずつ上昇した。原油相場の先高観が強まっている。中東地域の緊張が不安視される中、先週末のWTI原油先物は一時、約5カ月半ぶりの高値を付けた。
 ゼネコンやエンジニアリングなどインフラ建設セクターも物色される。
中国交通建設(1800/HK)が5.3%高、中国中鉄(390/HK)が4.8%高、中国鉄建(1186/HK)が3.5%高、中国冶金科工(1618/HK)が3.3%高、中リョ国際工程(2068/HK)が1.6%高と値を上げた。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.26%高の3057.38ポイントで取引を終了した。金融株が相場をけん引。エネルギー株、運輸株、公益株、半導体株、酒造・食品株なども買われた。半面、自動車株は安い。
不動産株、医薬株、素材株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)