投資家のリスク選好が高まる流れ。中国政府が打ち出した経済対策で、景気持ち直しが進むと期待された。中国政府は今年に入り、消費刺激や産業支援、上場企業の投資価値引き上げなどに向けた施策を相次ぎ打ち出している。企業業績の改善基調もプラス。香港で本格化している上場企業の決算では、利益の上積みや、業績持ち直しを示唆する内容が多く見られる。また、複数のファンドが中国本土株の投資判断を引き上げていることも追い風だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国不動産の上げが目立つ。龍湖集団HD(960/HK)が9.2%高、中国海外発展(688/HK)が6.5%高、華潤置地(1109/HK)が5.6%高で引けた。著名アナリストが同セクターの強気見通しを発表したことや、中国海外発展の好決算などが引き続き材料視されている。
証券セクターも急伸。国聯証券(1456/HK)が15.3%高、華泰証券(6886/HK)が6.0%高、中信証券(6030/HK)が5.5%高と値を上げた。国聯証券は民生証券を買収する意向を表明。
産金セクターも物色される。招金鉱業(1818/HK)が5.4%、山東黄金鉱業(1787/HK)が4.8%、中国黄金国際資源(2099/HK)が3.3%ずつ上昇した。金先物の先高観が強まっている。中東情勢の地政学リスクがくすぶっているほか、中国やインドなど各国中銀が外貨準備として金保有を増やしていることも金価格の上昇要因だ。原油や非鉄の市況高を受け、石油株や非鉄株も買われている。
自動車セクターも急伸。浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.5%高、小鵬汽車(9868/HK)が6.1%高、理想汽車(2015/HK)が4.7%高、蔚来集団(9866/HK)が4.5%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは3日続伸。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)