9日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比223.95ポイント(1.22%)高の18537.81ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が103.95ポイント(1.61%)高の6560.67ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は1236億9440万香港ドルとなっている(8日は1286億5540万香港ドル)。

 投資家心理が上向く流れ。中国貿易統計の上振れや、中国の不動産支援策が材料視された。取引時間中に公表された4月の輸出入統計では、米ドル建て輸出が1.5%増(予想は1.3%増)、輸入が8.4%増(予想は4.7%増)に改善している。前月は輸出入がそろってマイナス成長していただけに、中国景気の持ち直しが進むと期待された。不動産支援策に関しては、浙江省杭州市は9日、「不動産市場コントロール政策の最適化に関する通知」を発表。住宅購入規制の全面廃止に加え、住宅購入に対する信用支援の強化、高品質な住宅供給の推進、戸籍取得ポイント制の最適化など7つの措置を実施する方針だ。
そのほか、地方都市が相次いで、住宅公共積立金(公積金)制度を利用した住宅ローンの融資限度額を引き上げている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が8.7%高、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が6.1%高、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が5.8%高と上げが目立った。
 セクター別では、中国の不動産が高い。世茂集団HD(813/HK)が33.3%、合景泰富地産HD(1813/HK)が16.4%、華南城HD(1668/HK)が14.6%、雅居楽集団HD(3383/HK)が13.5%ずつ上昇した。
 海運・物流セクターもしっかり。上記した東方海外のほか、中遠海運HD(1919/HK)が6.9%高、太平洋航運集団(2343/HK)が5.3%高、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.5%高、嘉里物流聯網(636/HK)が5.9%高、中通快逓(開曼)(2057/HK)が2.9%高、深セン国際HD(152/HK)が2.7%高で引けた。

 医薬セクターも物色される。中国生物製薬(1177/HK)が5.5%高、百済神州(6160/HK)が5.4%高、康希諾生物(6185/HK)が4.0%高、緑葉製薬集団(2186/HK)が2.3%高で取引を終えた。百済神州については、1~3月期の販売好調が材料視されている。
 一方、本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.83%高の3154.32ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。
物流関連株、軍事関連株、ハイテク株、インフラ建設株、素材株、消費関連株、医薬株、保険・証券株なども買われた。半面、石炭株は安い。銀行株の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)