市場活性化の期待が相場を押し上げる流れ。外電は9日、「中国本土の個人投資家がストックコネクトを通じて購入した香港株について、中国当局は配当課税の免除を検討しているもよう」と報じている。UBSは最新リポートで、同措置が実施された場合、香港株の1日当たり売買代金が4%増加すると試算した。そのほか、米国の利下げや、中国の景気持ち直しに対する期待感も引き続き材料視されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所(388/HK)が6.8%高。上述したように、市場活性化の恩恵が大きいと分析されている。
配当妙味のある金融や通信、発電などの銘柄群も物色される。ハンセン指数銘柄では、中国建設銀行(939/HK)が6.3%高、中国人寿保険(2628/HK)が4.9%高、中国工商銀行(1398/HK)が4.6%高、中国移動(941/HK)が4.5%高、中国聯通(762/HK)が4.0%高、華潤電力HD(836/HK)が4.8%高、電能実業(6/HK)が2.4%高と値を上げた。
中国不動産セクターの買いも継続。世茂集団HD(813/HK)が58.3%、華南城HD(1668/HK)が29.9%、中国奥園集団(3883/HK)が22.0%、合景泰富地産HD(1813/HK)が18.3%ずつ上昇した。低迷する不動産市況の改善に向けた動きも加速。
半面、自動車セクターは安い。理想汽車(2015/HK)が3.2%、蔚来集団(9866/HK)が3.1%、比亜迪(1211/HK)が2.4%、小鵬汽車(9868/HK)が1.3%ずつ下落した。対中圧力を警戒。外電は10日、「バイデン米政権は電気自動車(EV)やバッテリー、太陽光発電などの分野で、来週にも関税賦課を発表する方向」と報じた。そのほか、レモンド米商務長官は中国製コネクテッドカー(つながる車)の輸入禁止や制限など「極端な行動」に出る可能性を示唆したとも伝わっている。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%安の3147.25ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。消費関連株、医薬株、素材株、運輸株なども売られた。半面、不動産株は高い。金融株、公益株、エネルギー株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)