10日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比425.87ポイント(2.30%)高の18963.68ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が158.19ポイント(2.41%)高の6718.86ポイントと続伸した。ハンセン指数は昨年8月11日以来、約9カ月ぶりの高値水準を切り上げている。
売買代金は1710億100万香港ドルに拡大し、年初来最大を記録した(9日は1286億5540万香港ドル)。
 市場活性化の期待が相場を押し上げる流れ。ハンセン指数は節目の19000ポイント目前まで上昇する場面があった。外電は9日、「中国本土の個人投資家がストックコネクトを通じて購入した香港株について、中国当局は配当課税の免除を検討しているもよう」と報道。UBSは最新リポートで、同措置が実施された場合、香港株の1日当たり売買代金が4%増加すると試算している。そのほか、米国の利下げや、中国の景気持ち直しに対する期待感も引き続き材料視された。
(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所(388/HK)が7.6%高。上述したように、市場活性化の恩恵が大きいと分析されている。また、最高経営責任者(CEO)の陳翊庭(ボニー・チャン)氏は9日の香港・サウジアラビア資本市場フォーラムで、香港IPO申請中の企業が約100社に上るなどと述べ、サウジ企業の上場にも含みをもたせた。
 配当妙味のある金融や通信などの銘柄群も物色される。ハンセン指数銘柄では、中国建設銀行(939/HK)が6.8%高、中国平安保険(2318/HK)が5.8%高、中国人寿保険(2628/HK)が4.9%高、中国移動(941/HK)が4.8%高、招商銀行(3968/HK)が4.6%高と値を上げた。
 中国不動産セクターの買いも継続。
世茂集団HD(813/HK)が60.0%、新城発展(1030/HK)が15.4%、雅居楽集団HD(3383/HK)が13.6%、華潤置地(1109/HK)が7.2%ずつ上昇した。低迷する不動産市況の改善に向けた動きが加速。足元では地方政府が相次いで、住宅購入規制の撤廃や購入支援の強化に動いている。
 半面、自動車セクターは安い。蔚来集団(9866/HK)が2.0%、理想汽車(2015/HK)が1.6%、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.1%ずつ下落した。対中圧力を警戒。
外電は10日、「バイデン米政権は電気自動車(EV)やバッテリー、太陽光発電などの分野で、来週にも関税賦課を発表する方向」と報じた。そのほか、レモンド米商務長官は中国製コネクテッドカー(つながる車)の輸入禁止や制限など「極端な行動」に出る可能性を示唆したとも伝わっている。
 一方、本土マーケットは小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%高の3154.55ポイントで取引を終了した。電力株が高い。金融株、公益株、不動産株、家電株、エネルギー株も買われた。
半面、ハイテク株が安い。医薬株、自動車株、食品株なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)