7日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比86.86ポイント(2.57%)高の3470.66ポイントと大幅に反発した。10月8日に付けた約2年7カ月ぶりの高値水準(3489.78ポイント)に接近している。

 中国経済対策の期待感が投資家心理を上向かせる流れ。4日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議に関しては、最終日(8日)に国営メディアが詳細を報じる予定。6兆~10兆人民元規模の財政政策が打ち出されるとの見方だが、対中強硬派のトランプ政権が誕生することで、市場関係者からは、より規模の大きい財政出動が決まる可能性も指摘された。
 取引時間中に公表された10月の中国貿易統計では、輸出が予想(5.0%増)を大幅に上回る12.7%増に拡大する一方、輸入は2.3%減少(予想2.0%減)。輸出の大幅拡大が好感されている。米大統領選でトランプ前大統領が勝利する中、同氏が掲げる関税政策に対する警戒感で売り先行したものの、下値は堅く、指数は中盤からプラスに転じ、引けにかけて上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、証券の上げが目立つ。中信証券(600030/SH)や中信建投証券(601066/SH)、太平洋証券(601099/SH)などがストップ(10.0%)高、招商証券(600999/SH)が8.9%高、中国銀河証券(601881/SH)が6.3%高で取引を終えた。
 不動産株も急伸。緑地HD(600606/SH)や信達地産(600657/SH)、華遠地産(600743/SH)などがストップ(10.0%)高、新城控股集団(601155/SH)が4.9%高、金地集団(600383/SH)が4.6%高で引けた。
 消費関連株も高い。スーパーの永輝超市(601933/SH)が9.9%、酒造の山西杏花村フェン酒(600809/SH)が9.1%、食品の仏山市海天調味食品(603288/SH)が7.8%、商用車の金杯汽車(600609/SH)が7.6%、免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)が5.9%、家庭用品の喜臨門家具(603008/SH)が5.2%ずつ上昇した。
銀行・保険株、医薬株、公益株、インフラ建設株、資源・素材株、運輸株なども買われている。
 半面、軍事関連株はさえない。航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が5.9%、航空宇宙製品の江西洪都航空工業(600316/SH)が4.7%、軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が3.2%、航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)と航空製品の中国航発航空科技(600391/SH)がそろって2.2%ずつ下落した。太陽光発電株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が3.49ポイント(1.23%)高の286.15ポイント、深センB株指数が21.11ポイント(1.67%)高の1284.11ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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