中国新聞社は24日付で、台湾からの話題として台北市内の「内科行きバス」を写真記事として紹介した。

関連写真:そのほかの台湾の写真

 中国語には略記を多用する習慣があり、慣れない日本人は「1文字、1文字は分かるが、結局、何の意味だか分からない」こともしばしばだ。
このバスの表示には「市府站 直達専車 内科」とある(写真)。中間部分にある「直達専車」は、「直行する専門の車、つまりシャトルバスかな」程度に想像できるが、先頭部分の「市府站」になると、ほとんどお手上げだ。

 正解は「市政府車站」、つまり「市政府バスステーション」の意。台北市政府のそばにあるバス・ターミナルだ。このくらいであれば中国語ネイティブなら十分に分かる。というわけで、略記で十分と考えるのが中華式。

 問題は行き先の表示らしい「内科」の2文字だ。「病院の内科としか思えないし、そうだったら何々医院(病院)と書きそうなものだ。しかし、内科といえば、やっぱり病院だよなあ」と、推理は堂々めぐりをするばかり。

 地元の人に尋ねると「それは内湖科技園区だよ」と一刀両断。つまり、「内湖」という場所にある産業団地、ハイテク・パーク行きのバスだ。「内湖」と「科技」から1文字ずつを取り出した。
ちなみに「科技」も略語。「科学技術」を指す。「内科」は省略に省略を重ねた行き先表示というわけだ。

 「私らも勘違いすることがあるからね。ヨソから人が間違うのも無理ないさ」と、表示の正しい解釈を教えてくれた人。ローマ字略語なら知らなければ「分からない」でおしまいになるが、中国語は表意文字である漢字で略記することが多いだけに、誤解の可能性が増すようだ。

 中国政府が「独立派」として強く警戒していた陳水扁総統の任期が終わり、台湾で5月に馬英九総統が就任したことをきっかけに、大陸と台湾は「接近ムード」。7月18日には大陸客の台湾観光も始まることもあり、中国本土ではこのところ、台湾の街や風物を紹介する報道が増えている。(編集担当:如月隼人)

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