潘委員の提案は「簡体字は伝統文化を弱化させる存在だ」と主張するもので、簡体字を段階的に廃止し、繁体字を復活させる、というものだった。しかし、中国人民大学の紀宝成校長は「簡体字は中国文化の一つの進歩で、地位も法で明文化されている。私たちは法律に基づくべきだ」と述べ、同氏の提案に反対姿勢を示した。
同氏はまた、「書道、芸術、専門研究などの分野では、繁体字の理解がないと困るだろう」と一定の「理解」を示す一方、「実社会ではやはり、簡体字の方が利便性が高い」と述べ、簡体字の継続利用を支持した。
アモイ大学の朱崇実校長も「簡体字があったからこそ、中国での識字率は上昇した」と述べ、簡体字を支持した。また、繁体字の難解さを指摘し、「中国国内での『識字率アップ運動』も、繁体字使用圏などより効果が上がっていると聞いている」と語り、簡体字使用による「実利」を示した。
写真は台湾で行われた「漢字文化節」の様子。台湾では繁体字が使用されている。2009年1月1日撮影。(編集担当:金田知子)
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