繁体字は難しい? 有識者「漢字は今のままでいい」
中国では現在、潘慶林政治協商委員がこのほど、全国政治協商会議第11期第1回会議で「中国本土での繁体字復活案」提案したことをきっかけに、「繁体字・簡体字論議」が話題を集めている。中国教育部の章新勝副部長は「言語や文字には法律がある。教育部は法に基づいて行政を執り行うべき」との見方を示し、現行法で保護されている簡体字の継続使用を主張した。写真は台湾で行われた「漢字文化節」の様子。台湾では繁体字が使用されている。<br><br>【関連写真】<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0313&f=national_0313_013.shtml&pt=large" target="_blank">世界の中国語学習者4000万人「文化の浸透」に自信</a>(2009/03/13)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0312&f=column_0312_005.shtml&pt=large" target="_blank">日本の漢字ブームに中国メディアも着目</a>(2009/03/12)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0310&f=column_0310_009.shtml&pt=large" target="_blank">日中勘違い:「中華・人民・共和国」は、全部意味変更</a>(2009/03/10)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0309&f=column_0309_008.shtml&pt=large" target="_blank">日中勘違い:「有難う」の文字見て、ムッとした中国人</a>(2009/03/09)<br>・<a href="http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0220&f=national_0220_005.shtml&pt=large" target="_blank">中国から見た日本、漢字ビジネスは「金の生る木」(3)</a>(2009/02/20)"(サーチナ&CNSPHOTO) 画像(1枚)
 中国では現在、潘慶林政治協商委員がこのほど、全国政治協商会議第11期第1回会議で「中国本土での繁体字復活案」提案したことをきっかけに、「繁体字・簡体字論議」が話題を集めている。中国教育部の章新勝副部長は「言語や文字は法で定められている。
教育部は法に基づいた行政を執り行うべき」との見方を示し、現行法で保護されている簡体字の継続使用を主張した。新華網が13日付で報じた。

 潘委員の提案は「簡体字は伝統文化を弱化させる存在だ」と主張するもので、簡体字を段階的に廃止し、繁体字を復活させる、というものだった。しかし、中国人民大学の紀宝成校長は「簡体字は中国文化の一つの進歩で、地位も法で明文化されている。私たちは法律に基づくべきだ」と述べ、同氏の提案に反対姿勢を示した。

 同氏はまた、「書道、芸術、専門研究などの分野では、繁体字の理解がないと困るだろう」と一定の「理解」を示す一方、「実社会ではやはり、簡体字の方が利便性が高い」と述べ、簡体字の継続利用を支持した。

 アモイ大学の朱崇実校長も「簡体字があったからこそ、中国での識字率は上昇した」と述べ、簡体字を支持した。また、繁体字の難解さを指摘し、「中国国内での『識字率アップ運動』も、繁体字使用圏などより効果が上がっていると聞いている」と語り、簡体字使用による「実利」を示した。

 写真は台湾で行われた「漢字文化節」の様子。台湾では繁体字が使用されている。2009年1月1日撮影。(編集担当:金田知子)

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