中国政府の公用車と言えば、多くの中国人がAudi(アウディ)やパサート、ビュイック、サンタナなどを思い浮かべるだろう。中国では街中を走る公用車の多くがこれらのブランドだ。
政府の公用車調達先リストには数十ブランドが登録されているのに、これらのブランドが特に人気を集めるのはなぜだろうか。その背後にはどういったいきさつや消費文化があるのだろうか。中国網日本語版(チャイナネット)が伝えた。

 ◆ベンツとBMW、目に見える冷淡な扱い

 中央国家機関政府買付センターは2009年、『国務院弁公庁の中央予算単位2009-2010年政府集中買付リストと基準に関する通知』と『2009-2010年中央国家機関自動車協議供給自動車メーカーリスト』を発表した。リストには38社の100車種以上が登録され、BMWとベンツが初めてリストに入れられた。

 BMWとベンツのリスト入りはネット利用者の議論を引き起こした。BMWとベンツに対して多くの中国人が「金持ちの専用車」というイメージを持っており、特にBMWはファッショナブルかつ豪華、成金というイメージがあり、政府の公用車にすれば政府のイメージに影響するのではないかとの懸念が指摘された。また、これまで中国ではBMWによる人身事故が何度も発生、そのたびに大きく報じられたことから、BMWは成金で横暴な人間が乗る車というイメージがあり、政府の公用車にするには好ましくないと考える人もいるようだ。

 マーケティングの専門家は、BMWとベンツには豪華や成金などのブランドイメージがあり、中国政府機関が一貫してきた控えめで穏健、自制的といったイメージとかけ離れており、冷遇されているのが目に見えると指摘した。(編集担当:米原裕子)

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