山西省雲城永済市で4日、イナゴが大量発生した。同省の調査によると、最大で1平方メートル当たり2500匹の生息が確認された。
近隣の県でも高密度のイナゴの群れが出現しており、イナゴ発生は拡大中という。中国新聞社が報じた。

 雲城永済市では4日になり、約167ヘクタールの範囲で、イナゴが突然に発生したという。見つかったイナゴは孵化(ふか)してから脱皮を2、3回した幼虫(2、3齢)で、それまではかなり小さかったために、見逃していた可能性が高い。

 おおむね1平方メートル当たり500-800匹だが、多い場所では同2500匹が確認された。

 山西省は農家に対して、イナゴの大量発生箇所を取り囲むように殺虫剤を散布し、農作物を引き抜いた「隔離帯」を設けるよう指導している。ただし、省南部の小麦は収穫期であるために、殺虫剤は使用しないよう求めた。

 小麦に対する被害は今のところ出ていないが、現在までにトウモロコシやコウリャン、キビなどの畑では全滅した箇所がある。

 専門家によると、イナゴは脱皮を繰り返して成長し、食べる量も増えるので6月下旬には農業に甚大な被害を及ぼす恐れがある。個体密度が大きいので、成虫になってから一斉に飛び立ち、他の場所に移動する可能性も否定できない。(編集担当:如月隼人)

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