江蘇省北部の徐州市内の高速道路は18日夜から濃霧のために封鎖されていた。封鎖が解除された直後の19日午前10時ごろ、警察の徐州高速第一大隊に通報が入った。
同大隊が担当する連霍高速道路の蘇皖料金所近くの路面で、人が死んでいるという。事故か。死体遺棄事件の可能性もある。警官隊がただちに現場に急行した。中国新聞社が報じた。

 通報で告げられた場所で、高速道路上に男性らしい「遺体」を発見。自動車が次々に、高速で通りすぎる。その一方で、停車して様子を見ている運転らもいた。警官隊の隊長はただちに、警察官を周囲に展開させた。

 「遺体」に近づいた警察官は、まず「50歳ぐらいの男性」と判断。上着は濃い灰色でズボンは黒。全身が泥で汚れていた。
警察官はさらに「遺体」に接近して、詳細に観察した。すると、新たな事実が判明した。「遺体」は呼吸していた。

 警察官は男性の顔あたりの臭いをかいだ。アルコール臭はない。酔って寝たのではなさそうだ。警官は男を起こした。服は泥で汚れているがホームレスではなさそうだ。男性の持ち物を確認すると、財布を持っていた。中から身分証も出てきた。男性の身元が確認できた。警察は、男性を大隊本部まで連れて行くことにした。
その後、男性の弟と連絡が取れた。

 男性の弟がやってきたのは午後1時ごろだった。弟の説明からも、男性は徐州市近郊の出身と確認できた。弟は、男性の精神状態に異常を感じたことはないと説明。男性は10月になってから、徐州市内で仕事をしていたという。

 男性は、なぜ高速道路で寝ていたのか、まったく記憶がないと説明。しかし魚釣りが大好きと聞いて、警察官は釣をしていて川で転倒して服が泥だらけになった可能性が高いと判断した。警察官は転倒した際に頭部を強打した可能性もあるとして、男性と弟に病院で検査を受けるよう強く勧めた。

 経緯が明らかになったわけではないが、男性は何らかの意識障害に見舞われ、高速道路上で眠ってしまったと考えられる。濃霧のため、前日夜から高速道路が閉鎖されていたことは、誠に幸運だった。

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◆解説◆
 中国では高速道路上への立ち入りが問題になっている。典型的なのが、トラックなどが事故を起こした際、積荷を持ち去ろうとして多くの人が「乱入」する事件だ。


 そうでなくとも、農村部では通行に便利と、敷地内を通ろうとする人がいる。特に山間部では川に架けられた橋が便利と、家畜を連れて通行する人がいる。

 それ以外にも、中国では高速道路上に出て問題を起こすケースが断続的に発生している。

 2010年には、高速道路上で交際中の女性が乗る車を待ち、バラの花束を差し出してプロポーズをしていた男性を警察が取り締まった(河南省)。2011年には、高速道路の路上で男性数人が鍋料理を作って食べていた(広西チワン族自治区)。2012年には高速道路近くの工事現場で働く作業員が、「調理によい場所」と考えて、高速道路上にかまどを作って調理していていた(江西省)

 2011年にはトラックに積んでいたラクダを「狭い空間に閉じ込め続けると病気になることがある」として、高速道路上で散歩させていた男性が取り締まられた(浙江省)。2014年には民家から逃げたダチョウが高速道路を走った(同)。(編集担当:如月隼人)(写真は中国新聞網の19日付報道の上記記事掲載頁キャプチャー)


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