中国山東省のメディア・莱蕪新聞網は24日、「日本企業のボスが、中国からやってきたアルバイトにお辞儀をして敬意を示した」とする記事を掲載した。そこでは、かつて日本の食品加工企業で働いた中国人起業家・耿立軍さんの経験談が紹介されている。
記事は、耿さんが2003年にたまたま機会があって日本の食品加工工場で働くことになったと紹介。そこで「中国は遅れている、中国人は不真面目だ」という偏見を持ち、中国人を見下すような態度を取っていた日本人従業員と仕事することを強いられたとし、「そもそも能力がないと見なされ、努力して作業効率を高めてもインチキだと思われた」と耿さんが振り返ったことを伝えた。
そして、作業場の主任から会社のトップまでもが仕事を監督する中、まじめに仕事をこなし続けることでついに彼らを承服させることに成功し、会長から「お墨付き」をもらうとともに、以後の作業に対してチェックをされることがなくなったとした。
約3年間の滞在を経て06年に帰国した耿さんは、現地で温水器を販売する会社を作って商売を始めた。記事は、共同経営者が全員辞めてしまうなど紆余曲折を経て、数年前より中国政府が省エネ政策を打ち出したことで波に乗り、今では20人の従業員を抱える規模にまで成長したことを紹介している。
そして最後に、耿さんが仕事の都合で訪日した際、以前働いていた食品工場に顔を出した際のエピソードを紹介。耿さんのその後の話を聞いた会長が粛然と敬意の態度を示すとともに、耿さんに対して深々とお辞儀をしたことを伝え、「まさかそんな風にしてもらえるとは思ってもみなかった」と耿さんが誇らしげに語ったとした。
まじめに仕事をするか、そうでないかは、国籍とは直接的には関係なく、あくまで個人の性格や性質の問題である。
一方、日本で偏見を受けながらも努力し続け、ついには信頼を勝ち取った耿さんは立派であり、われわれはその努力に対して敬意を払わなければならない。それは中国人うんぬんということではなく、仕事に対してまじめな1人の人間として、である。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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