中国は製造業の分野で人件費の上昇が続いており、これまでのコスト優位を失いつつある。世界の大手メーカーは相次いで中国から東南アジアへと工場を移転させており、中国製造業は生き残りに向けて技術力向上に取り組んでいる。


 だが、中国メディアの今日頭条はこのほど、中国製造業には「高い技術力を持つ人材が極めて少ない」と伝え、製造業の高度化におけるボトルネックは「人材不足」であると伝えている。

 記事は、中国政府が製造業の高度化に向けて戦略構想「中国製造2025」を打ち出し、高い技術を持つ人材に対する需要が高まっていることを指摘。だが、企業側が人材を募集しても応募があるのは技術を持たない人材ばかりであり、「人材難」が続いていることを伝えた。

 中国の清華大学と復旦大学が共同でまとめた報告書によれば、中国で何らかの資格を保有する技能労働者の数は、労働者全体の19%にとどまり、なかでも高い技術や専門知識を持つと認められる「高技能労働者」は、全体の5%ほどにとどまると紹介。労働市場における需給のミスマッチこそ、中国製造業が高度化を実現するうえでの最大の障害の1つであると論じた。

 中国の労働市場は流動性が極めて高く、労働者も転職を繰り返す傾向がある。1つの職場で技術や知識を習得する前に転職してしまうため、人材が育ちにくいという指摘がある。また、中国の大学では教える知識が実用性に乏しく、企業から見た新卒者は即戦力にならず、一からトレーニングする必要があるとの声も多い。人材を育てるのは時間がかかるものだ。中国製造業が高度化を実現するうえでの障害を取り除くことができるのか懸念が残る。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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