普通の鉄道と比べて格段の速さと乗り心地の良さ、そして、飛行機よりも手ごろな価格によって中国国民の支持を得てきた中国高速鉄道。一部路線で21日から料金調整があり、そのほとんどが値上げとなるため反発の声も出ているが、中国高速鉄道はおおむね中国国民に受け入れられ、自慢の交通インフラとなったと言えるだろう。


 しかし、急速な高速鉄道の発展に伴い、残念なニュースも出てきているようだ。中国メディアの今日頭条は18日、北京と上海をつなぐ京滬(けいこ)高速鉄道の線路沿いにゴミが山積していると紹介する記事を掲載した。

 記事は、中国高速鉄道について「普通の鉄道よりも便利で乗り心地が良い」と表現。多くの中国人が旅行の交通手段として高速鉄道を選ぶようになっており、「車窓から見える美しい景色」を楽しんでいる、と高く評価した。しかし残念なことに、全国各地に張り巡らされた高速鉄道網の多くの場所で「路線沿いがゴミ捨て場と化している」という。

 その現状を確かめるべく、記事の筆者は4月10日に、北京発上海行きの高速鉄道に乗車し確認したという。北京を出発し南下すると、まずは両側の車窓から村や麦畑といった普通の風景が楽しめたとしながらも、出発から30分ほど経過して天津南駅に到着するころになると、残念ながら「一面に汚い風景が広がっていた」という。春を感じる新緑のかわりに、建設ゴミや廃車などの廃棄物が山となっており、それが少なくとも2-3キロメートルにわたって続いた様子を写真とともに紹介している。

 かつて、中国の普通列車では乗客によるゴミのポイ捨てで、線路沿いにビニール袋や白い弁当の容器がずっと続く「白色汚染」が見られたが、高速鉄道では窓を開けることはないため少なくとも外へのゴミのポイ捨てはない。そのかわり、高速鉄道の線路沿いでは産業廃棄物が違法に廃棄されているようで、やはりゴミに埋もれた路線となってしまっているようだ。

 車窓から見える各地の風景は旅の醍醐味の1つと言える。一帯一路構想で高速鉄道の世界進出を目指すなら、まずは国内の高速鉄道の景観から整えるところから始めるべきといえるのではないだろうか。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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