中国メディア・鳳凰網は21日、中国で700年間失われていた焼き物の技術が、日本の職人によって復活したとする記事を掲載した。
 
 記事が紹介したのは、古代中国で編み出されたとされている「曜変天目」という技術だ。
記事は「現存する曜変天目茶碗はいずれも中国の南宋時代に生産されたものであり、全て日本で国宝として保管されている。その技術は中国の陶磁器文化において最も神秘的なものの1つであり、種々の歴史的な理由により700年余りの間失われていた。現代の日本や中国の科学者や職人たちが模倣を試みているがいずれも満足のいく結果は得られず、中国では大量の資金や人力を投じて研究が進められるも安定した成果を見るには至っていない」と説明している。
 
 そのうえで、江戸時代から続く陶芸家の家に生まれ、1995年に死去した父親の跡を継いだ長江惣吉氏が曜変天目の復活に情熱を注いで来たことを紹介。まず曜変天目の故郷とされる福建省を訪れて復活の手がかりをつかむと、その後「蛍石」という鉱石によって生成される酸性ガスが化学反応を起こし、独特の模様を生むことを発見したと伝えた。
 
 一方で長江氏が「現時点ではまだ完全ではない。さらに研究を重ねてオリジナルの再現を目指すとともに、技術を用いた自己創作を展開していきたい」と語っていることを紹介した。
 
 記事を読んだ中国のネットユーザーからは「つべこべ言わずに、中国人はこの職人気質を真剣に学ぶべきだ」、「いいものはちゃんと学びに行くべき。日本だからといって抵抗感を持ってはいけいない」、「日本の職人の心は本当に素晴らしい。そして文化もしっかり保護されている」、「古代中国人の精神は、日本にある」などといった感想が寄せられている。
 
 曜変天目に限らず、長い歴史の中で途絶えてしまった優秀な技術は数多存在するはず。そんな技術が1つでも多く復活し、再び伝承されていくことを願ってやまない。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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