記事が紹介したのは、「ハードロック工業株式会社」だ。「ねじは必ず緩むもの」という常識を覆したこの画期的な製品は、鉄道や橋梁、機械、建設などに広く使われており、新幹線では16両編成で2万本も活用されているという。記事によると、中国の高速鉄道も世界に認められる安全基準を満たすために「仕方なく」このナットを輸入しているという。
この小さな部品は何がそこまですごいのだろうか。記事は、このナットが「絶対に緩まない」原理は公開されており、くさびを打ち込むのと同じ原理で、凹凸型のダブルナットを使用していると紹介。原理はシンプルなため、多くの模倣者が現れたものの、ほとんど成功していないという。
記事はこの理由を「技術とノウハウ」にあると指摘。このナットが完成するまでに改良が続けられ、会社設立から実に20年もの年月がかかっているという。初期の製品は「緩まない」と銘打ちながらも多少の緩みが見られ、社長は「絶対に緩まない製品は作れない」との周囲の反対を押し切って改良を続け、ようやく完成したという経緯がある。執念にも似た職人気質であり、中国人が簡単に模倣できないのも当然である。
この製品は、世界一厳しいとされるNAS(米国航空規格)の振動試験でも優秀な成績を出している。
記事は、この社長のモノづくりに対する姿勢を絶賛。これは一例にすぎず、日本の多くの企業には同様の独自技術を持っていると、モノづくり大国としての日本のレベルの高さを称賛した。これまで模倣で大きく伸びてきた中国製品だが、技術とノウハウを習得するには時間がかかることを感じさせる。日本のようなモノづくり大国になるには時間がかかりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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