「馬蜂窩」は、中国で総ダウンロード数7.6億、アクティブユーザー1.3億人という中国における旅行口コミプラットフォーム。グローバルに6万カ所以上の旅行目的地の遊び、交通、ホテル、観光名所、飲食、ショッピング、レンタカー、現地体験などの情報、および、製品予約サービスを提供している。毎月70万件以上の質の高いロングコンテンツ(旅行記)が生成され、旅行メモなどのショートコンテンツは毎月926万本、1日あたり3Tのデータが生成されている。
「馬蜂窩」を運営する馬蜂窩旅行網の高級副総裁の于卓氏は、「近年、中国人にとってライフスタイルの中に訪日が含まれるようになったといえる」と、日本に複数回訪問し、日本の文化を楽しもうとする中国人が増えていると語った。そして、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、日本に多くの中国人がやってくる大きなチャンス。その機会に、日本と中国との橋渡し役を務めたい」と、今後、日本において協力会社を幅広く求めていくと語った。
日本総代理店についたインタセクト・コミュニケーションズは、マルチ決済IntaPayやWebマーケティング、システム開発を行う会社。中国大手企業の日本法人のバイドゥ、テンセントジャパンも主要な取引先にしている。マルチ決済IntaPayは、WechatPayやAliPayと連携し、さらに、日本のPayPayなどとも連携を進めている。現在、日本で1000社3万店で導入されている。代表取締役の譚玉峰氏は、「馬蜂窩と日本の観光事業者とを広くつないで、盛り上がっているインバウンド需要の拡大に貢献したい」と語った。
馬蜂窩旅行網マーケティング戦略総監の趙冉氏は、「馬蜂窩」ユーザーのデータからみる日本に旅行する中国人観光客の特性について、「近年は80後・90後といわれる若年層に広がり、10代も含めて低年齢化していることが顕著。2010年頃に始まった個人旅行が、現在は主流となり、日本で花火を見る、フジロックフェスティバルに参加する、アニメの聖地を訪ねるなど、目的が細分化している。そして、たとえば、子連れ旅行であれば、東京のディズニーラントや大阪のUSJが有名だが、現在は名古屋のレゴランドや水族館への関心が高まっている。着物体験もこれまでは京都が中心だったが、最近は川越への関心が強い。このような新しいスポットの情報が不足し、中国人ユーザーは、もっと他にないのかと探している状況だ」という。
また、馬蜂窩旅行網営業総監の劉〓〓氏は、「中国の個人旅行者は、旅行の40日くらい前から計画を立てはじめ、『馬蜂窩』の情報を見ながら、目的地やアクティビティを決めて計画を立てる。どんな遊びをし、何と食べるとどんどん具体化して、旅行25日前くらいまでにホテルや航空券、観光地のチケットなどを購入する。旅行の楽しみは4分の3が旅マエの計画にあり、旅行そのものは後半の4分の1に過ぎない。そして、旅行後に、その感想を『馬蜂窩』に書き込む」と馬蜂窩の具体的な使われ方を紹介。今後、「日本のドラッグストア、観光地や各種のブランドと連携し、旅行の計画に役立つコンテンツを拡充していきたい」と語っていた。(〓は女へんに亭)
そして、ゲストスピーカーとして登壇した全日本空輸(ANA)中国統括室営業VPの廣岡伸雄氏は、中国人旅行者を日本に運んでいる立場から、現在の中国人個人旅行の隆盛について、「ツアー旅行の時代であれば、来日後にも様々な観光地に飛行機で移動するということがあったが、個人旅行になると、東京や大阪に降り立って、そのまま飛行機を使わずに、現地の体験を楽しむという旅行スタイルになっているように感じる。東京・大阪・京都・札幌に中国人旅行客が集中し、それ以外の地方都市にまで足を運ばないということになっているのではないだろうか。
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