バブル崩壊以降の日本経済は低迷を続けており、中国では「日本は失われた20年ならぬ、失われた30年を迎えた」などと言われていた。しかし、ここにきて日本経済の実力を再評価する声も増えている。


 中国メディアの環球時報(電子版)は30日、中国政府系のシンクタンクである中国社会科学院の関係者の話として、バブル崩壊以降の日本経済は往々にして過小評価されがちだと指摘する一方、実際には日本の経済力やイノベーション能力は軽視できないと指摘する記事を掲載した。

 中国の国内総生産はすでに日本を抜いて世界第2位の規模となっており、その差は拡大の一途を辿っている。また、家電やスマートフォンなどの分野で中国企業が世界的にシェアを獲得する一方で、日本企業が同分野から撤退する動きが相次いだことで、中国国内では「中国経済はすでに日本を抜いた」、「日本は没落の真っ只中」といった声が多く見られた。

 しかし記事は、日本と韓国の貿易面における対立をきっかけに、日本企業および日本経済の実力の高さが明らかになったと伝え、日本は非常に広範囲の分野で「決して過小評価してはならないほどの高い技術力を持っている」と指摘。そして、クラリベイト・アナリティクス(Clarivate Analytics)が発表している「世界で最も革新的な企業100社」では毎年、多くの日本企業が選ばれているように、日本のイノベーション能力は世界的に高く評価されていると紹介した。

 続けて、日本で1990年代にバブルが崩壊して以降、「失われた20年」あるいは「失われた30年」という言葉が日本経済の代名詞のようになったとしながらも、「この言葉は中国人の日本に対する客観的な評価を狂わせ、日本経済を過小評価させていた」可能性があることを指摘。

 日本はバブル崩壊後もずっと科学技術への投資を行い、技術を獲得し、参入障壁を高め、目立たないながらも各産業で圧倒的な地位を築くために努力してきたと伝え、日本にとってバブル崩壊後の20年は構造改革のための20年であり、「革新能力を磨き続けてきた20年だった」のだと指摘。中国ではバブル崩壊以降の日本経済はずっと過小評価されてきたが、実際の日本の経済力やイノベーション能力は「まったくもって軽視できない」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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