記事は、日本から学ぶべきポイントは主に3つあると述べた。1つ目は、医療介護関連のマルチなビジネスを展開している企業が多数ある点。記事は、ニチイ学館の例を挙げ、医療や介護といった事業を皮切りに様々なヘルスケア事業を包括的に手がけている点に注目。中国でも日本のような優れた統合型の介護・医療ビジネスの必要を説いた。
2点目は、介護関連事業における起業家精神。記事は、ワタミの例を述べ、当初は外食産業を手がけていた企業が、介護事業や宅食事業など幅広く業務展開している点を分析。また、パラマウントベッドのように、研究開発から製造組み立て工程を一貫して自社で手がけ、高品質な製品を作り出す企業にも注目。中国にもこうした技術や経験の応用と、専門性の高い事業展開が必要と述べた。
3点目は、政府が積極的に介護関連の政策を実施している点。2000年の介護保険制度をはじめ様々な政策や制度は、政府が主導になって進め、民間がその制度を上手に利用しながら事業を展開していると述べた。
日本の高齢者関連のビジネスと制度が、これから高齢化していく中国にとって、ある種のモデルケースになることは間違いない。とはいえ、日本と中国では制度や文化などで大きな違いがあることも事実で、単純に日本の介護ビジネスモデルを移植するのは難しいだろう。また、単純に日本の介護ビジネスモデルを移植して完結する問題ではなく、介護人材の育成も必要だ。記事は、「中国は日本の成熟した日本式介護から学ぶべき。さらに、介護の人材不足を解決するために、政府間で優れた介護医療人材育成の協力を要請する必要があるのでは」と提案した。
日本式の介護が中国で成功するには、まだまだ多くのハードルを乗り越えなければならないようだ。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)
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