日本ではバイクの市場規模は最盛期と比べてかなり小さくなったものの、世界では新興国を中心に今でも成長しているようだ。2018-2019年の二輪車・バイク業界の業界規模は約3兆7340億円で、前年比3.7%増だったという。
なかでも、ベトナムでは日本製バイクの人気が非常に高い。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、ベトナムで日本メーカーのバイクが良く売れていると紹介し、全く市場に食い込めない中国ブランドとはどこが違うのかを分析する記事を掲載した。

 記事は、ベトナムでは18年に328万台が販売され、全国の保有台数は4500万台以上だと紹介。人口1億人弱の国でこれだけの保有台数があるということからも、いかにベトナムでバイクが普及しているのかが分かるだろう。しかも、そのほとんどが日本ブランドだという。

 記事は、ベトナム市場には中国企業も進出したことがあり、一時期はシェアの8割を占めるほどになったと紹介。しかし、中国メーカーは「ベトナム市場から締め出されて」しまったという。その理由は、「低価格低品質」路線を進んだためで、日本メーカーに勝った後は中国ブランド同士の熾烈な価格競争となり、利益の出ない同士討ちになってしまったと分析した。

 また、ベトナム人消費者も中国製バイクの品質とアフターサービスの悪さに辟易し、ベトナム市場から淘汰されたと記事は分析。中国のバイクメーカーは近視眼的であるのに対し、日本メーカーは無理な値下げによる競争を避けて高い品質でユーザーを満足させるという大きな違いがあったと論じた。

 今では、シェアのほとんどを日本メーカーに占められたベトナム市場に、中国メーカーが再び割り込むのは難しそうだ。記事に対して、日本のバイクの質の高さをよく知る中国人ユーザーから称賛の声が寄せられ、同時に国内でも電動バイクにシェアを奪われている中国のバイクメーカーの先は暗い、という意見も多かった。
「表面上の理由は質だが、問題の根源は人」という指摘もあったが、まさにそのとおりだろう。結局はユーザーをつなぎとめるものは値段だけではなく高い品質と誠実さだというのは、業界を問わず言えることではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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