記事は、教育研究の専門家である太原理工大学共産党委員会書記の鄭強氏が今月13~15日に四川省成都市で開かれたアジア教育フォーラム年会で講演を行い、中国がノーベル賞クラスの科学者を輩出できない理由について2つの点を挙げて論じたことを紹介した。
まず1点めとして「スタートラインの時点で負けるな」、「就学前教育を大々的に強化せよ」という言葉が中国の教育をダメにしているとの考えを示したとし、現在の中国の教育が「遅いのではなく早すぎ、少ないのではなくむしろ多すぎ、学びが浅いのではなく深すぎ」という点にあると指摘したことを伝えている。
鄭氏はまた、世界数学オリンピック、科学オリンピックといったイベントで多くの中国人が優勝する一方で、大学に入ると目立たなくなってしまう背景には「スタートラインで負けているのではなく、スタートラインに立つ時点で疲労困憊してしまっている」ことがあるとし、創造性を伸ばす日本や欧米の幼児教育に比べて、中国の「早すぎる詰め込み教育」は往々にして子どもたちを勉強嫌いにし、大きくなってから研究に取り組むモチベーションが生まれなくなってしまうのだと論じた。
そして、2点めは、中国人がしばしば目先の功利を急ぐ傾向にある点に触れたと紹介。この点において日本人は辛抱強く、その道をとことん突き詰める精神を持っていることから、科学技術の研究開発で成功することができたのだと述べたことを伝えた。
記事はさらに、鄭氏が中国における教育のハード面は決して日本に劣っているわけではないと語り、問題は目先の利益に囚われず、忍耐力をもって少しずつ正しい教育理念を形成することだと指摘したことを紹介している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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