中国のポータルサイト・百度に2月28日、「日本人の建てた旅順博物館」の所蔵品について紹介する記事が掲載された。

 記事は、遼寧省にある旅順博物館について中国でも有名な歴史性、芸術性の高い博物館であるとし、帝政ロシアが現地で建設し未完成だった高級将校クラブを基礎として日本が1917年に改築して翌18年に完成したものだと紹介。
関東都督府博物館が現地に移転し、その後関東庁博物館に、34年に旅順博物館へと改称され、終戦後にソ連軍に接収されたのち、51年に中国政府に引き渡されたと伝えた。

 そして、同博物館は本館と分館の2棟に分かれており、所蔵品以前に建築自体が非常に見る価値を持っていると指摘。典型的な欧州式建築であり、設計を手掛けたのは「日本統治下の大連における設計の先鋒」として知られた前田松韻だと紹介している。

 また、同博物館の所蔵品は現在6万点余りと非常に豊富であり、中には貴重な品も数多く含まれているとした上で、最も目を引くであろう所蔵品はおよそ1500年前の新疆のミイラ2体だと紹介。ミイラは後に西本願寺の法主となる大谷光瑞が西域探検を行った際にトルファン南東部にある墓地で発見したもので、大谷が後に大連に移住した際に当時の関東庁博物館に売り渡したと説明した。

 記事は最後に、「旅順口を知れば、近代史の半ばを理解できる」と言われる旅順にある同博物館について、「ロシア人から日本人に渡り、さらにソ連人を経由して祖国に戻ってきた」という数奇な運命をたどった貴重な博物館であるとし、旅順観光においては欠かせないスポットの一つだと評している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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