中国経済の新たな発展モデルとして注目されている「双循環」。2020年に習近平主席が打ち出した政策だが、詳細な定義がないため国内外で様々な説明があるが、内需の拡大が1つの重要な要素となっているようだ。
中国メディアの快資訊はこのほど、日本の経済政策から中国の双循環は啓発を得ることができるとする記事を掲載した。

 記事は、「輸出、投資、消費」が経済を引っ張る3大要素だが、双循環はこのうちの「輸出と消費」によって経済を成長させる戦略のことを指していると解説した。そのうえで、日本は1985年のプラザ合意以降、内需拡大を目指す「双循環」と同様の経済政策を進めてきたと分析している。

 記事によると、日本の内需拡大政策は一定の成果を収め、内需が大きく増加したという。この政策には減税や金利引き下げなどが含まれ、日本人の消費や娯楽も多様化したことで、飲食、旅行、医療、スポーツなど幅広い分野で急速な発展が見られたと分析した。

 しかし、内需拡大の核心は「産業構造の調整にある」と主張。知識集約型工業への転換に成功した日本は、産業の付加価値を大きく高めることができ、国民の収入も増加して国内需要が大きくなったと論じた。それで、双循環を進める中国も「産業構造の転換」が重要だとしている。

 とはいえ、日本経済は「失われた20年」を経験しており、決して欠点がなかったわけではないと指摘。内需拡大を急ぐあまり基準金利を大幅に下げた結果、バブル経済を引き起こし、その後の「失われた20年」の伏線となったとしている。それで中国はこの失敗から学び、過度の金融緩和はむしろ害が大きいことを肝に銘じるべきだと論じた。

 中国経済は米国との対立やコロナ禍、世界的なサプライチェーンの見直しの傾向など多くの問題に直面している。
「双循環」の行方がどうなるのか、今しばらく観察が必要になりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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