
天然の赤色着色料には一般的に、赤ダイコン、ブドウ果皮、トマト、ベニコウジ色素などがある。それぞれ素材由来の自然な色調が特徴であり、同じ赤色といっても明るさや色調は異なる。
同社が昨年秋に上市した「パプリカベース№36840」は、色濃度40000CVで、トマト(リコピン)色素に近く、赤唐辛子のような明るく濃い赤味を出せることが特徴だ。従来のパプリカ色素は、オレンジ色を帯びた黄赤色が主流だが、同品は市場に流通するパプリカ色素の中で最も赤味が強い。
パプリカ色素製剤「パプリカベース」は、乳化基材を使って色素粒子を安定させ、水に分散しやすくした液体タイプ。豊富なカラーバリエーションの中に、今回新たに加えた「パプリカベース№36840」は、さらに高度な技術を駆使してパプリカを精製。天然多糖類のアラビアガムを用いて乳化粒子を安定化させることで、これまでにない明るい赤色を実現した。
耐熱・耐塩性があり、加工調理工程でも高い安定性を示す。乳化製剤の安定性を確認する試験では、焼き肉たれや鍋調味たれのように塩分を含んだ調味料液を、80℃を保持したまま60分間加熱した。加熱前と比べてほとんど変化がなく、一般的なパプリカ色素のように油浮きや分離、退色が発生することがなかった。
また製造工程を想定した試験では、塩分を含む調味液を80℃に保温したまま1時間攪拌。
さらに、においを極力低減したことで、あらゆる食品分野への応用が期待できる。推奨分野は、赤くて辛いものをイメージする唐辛子を使った調味料類やキムチ関連品だが、トマトやイチゴに近い色調を活かして米菓、冷菓、ゼリー類など幅広い利用も可能だ。
カニカマにも有効であり、既存製品にはベニコウジ色素やトマト色素とパプリカ色素を併用して色調を再現していることが多いが、「パプリカベース№36840」はこれ1色で色味の表現が可能になる。トマト色素に比べて単価が安く、製造コストを抑えるなど、価格メリットも期待できる。
またトマト色素は中国へのカニカマの輸出品には使用できないことから、同じ色調で中国のレギュレーションに対応した製品もラインアップしている。
なお、食品への食品添加物表示例は、パプリカ色素、トウガラシ色素、カロテノイド色素となる。

(2月8日付)