機能系のビール類は、コロナ禍前からも発泡酒・第3のビール(新ジャンル)から投入されていた。
昨年10月にビールの酒税が350ℓ缶当たり77円から70円に減税、新ジャンルは28円から37.8円に増税。微減を繰り返してきたビールに注目が集まり追い風が吹いており、缶ビールの販売量は伸長。加えて10月6日にキリンビールが機能と味の両立を図った「一番搾り 糖質ゼロ」を投入し、販売が好調に推移していることから、機能系ビールへの期待が高まっているといわれる。
サントリーの推計では、昨年のビール類缶商品は約2億8千100万箱(大瓶×20本/箱)、機能系ビール類飲用意向あり層は約1億8千万箱分だが、既存機能系銘柄満足層による飲用は約2千200万箱であり、同社ではその差である約1億6千万箱が潜在的な市場だと推定する。
狭義のビールは麦芽使用量が50%以上で、含まれる糖質が多いことから、糖質ゼロ実現へのハードルは高いとされてきたが、サントリー、キリンともに約5年の開発期間をかけた。
サントリーが発売する今回の新商品は、希少なダイヤモンド麦芽を一部に使い、仕込釜で麦汁を一気に煮出す工程を3度繰り返すことで上質で深いコク、良質な苦み、力強い飲みごたえ、糖質ゼロによる爽快な後味に仕上げた。糖質がゼロになるまで醗酵させながら味を生み出す独自の技術を用いたことが味と糖質ゼロの両立につながったという。
事前の消費者試飲では「ビールとしてちゃんと満足できる中味」とされ、おいしいとの評価を約6割の人から得た。
「ビールの味と機能の両立」を、これからの時代に合った「パーフェクト」ととらえ、ネーミングに取り込んだ。缶体は濃紺と金色を用いて品質感を表現。