
ワークショップは、水源資源や海洋環境に関する内容で、東京魚市場卸協同組合が今年6月から月1回のペースで開催している。
今回は2回目の開催で「プラスチック資源循環促進、海洋プラスチックごみ対策の動向」を全体テーマに掲げ、発泡スチロール協会の鈴木高徳専務理事と千代田化学の石川雄祐氏もスピーカーに招かれ、最後に同組合・卸会社・市場関係者を交えたパネルディスカッションが行われた。
講演する丸山竜一郎部長(コカ・コーラボトラーズジャパン) コカ・コーラの丸山部長は、多様性の尊重・地域社会・資源の3つのプラットフォーム(重点分野)と9つの重点分野からなるコカ・コーラシステムのサスティナビリティーフレームワークに触れ「このようなサスティナビリティーの目標の中でも特に容器を優先課題に掲げている」と語った。
容器面で注力しているのが、使用済みペットボトル(PET)を再びPETへリサイクルするボトルtoボトルのリサイクル手法となる。
その重点課題については「ボトルtoボトルをさらに広げていくためには、技術面だけではなく、行政・メーカー・小売店などとともに、質のよい使用済みPETをもっと集める工夫をしていかなければならない」と述べ、業界とともにリサイクルボックスの異物混入防止などに取り組む考えを示した。
発泡スチロール協会の鈴木専務理事は、発泡スチロールの断熱性・緩衝性・軽量性・省資源性・耐久性・リサイクル性・加工性の7つの特性を挙げ、20年には使用済み発泡スチロールの有効利用率が90・8%、マテリアルリサイクル率が52・9%に達したとし「PETに次いで優秀な素材で、優れた長期断熱性も持ちCO2削減で地球温暖化に貢献している」と述べた。

海洋プラスチックごみ対策としては、発泡スチロール魚箱の減容化などを提案。発泡スチロール魚箱(体積30ℓ・重量200g)を0.2ℓに減容化すればかさばらず飛散リスクが軽減するとした。
千代田化学の石川雄祐氏は、古米や精製時に割れてしまった粉米・米粉・資源米など非食用のお米を使用したライスレジンと呼ばれるバイオマスプラスチックを紹介。「デンプン由来によるにおい・風合い・質感が表れ石油由来100%製品とは異なる優しい素材感が特徴で、石油由来とほぼ同等の品質を有し、国産なので石油相場や海外の情勢に左右されず安定供給が可能」と説明した。