コロナ禍で変化!? スーパーのPB 価格だけじゃない、独自性競うステージへ
イオン「プロのひと品」(トップバリュ)
大手スーパーのプライベートブランド(PB)が変化している。PBと言えばEDLP(エブリデー・ロー・プライス)の代表として価格コンシャス要素が強かったが、コロナ禍により家庭内での喫食機会が増加、生活者のニーズが多様化するなか、独自性、品質価値で差別化を図る方向にシフトしている。


西友は、コロナ禍で価格以外のニーズが高まったことを受け、PB戦略を進化させる。PB「みなさまのお墨付き」について、NBのみをベンチマークとしない「ありそうでなかった」(独自性の高い)商品の開発・拡充にシフトした。

同社はこれまで、通常のPB同様、ナショナルブランド(NB)をベンチマークとし、「有名メーカー品と同等以上の品質で、10%以上低価格~良いのに、安い!~」をコンセプトに、主に定番(コモディティ)商品を中心に開発してきた。

昨年、コロナ禍のなか、付加価値と低価格を両立した定番を超えた商品の開発を拡大。糖質や栄養素にこだわったギルトフリーシリーズの菓子などを投入した結果、売上が過去最高となり、2019年比27%増となった。

同社ではウイズ・コロナを見据えた新たな商品開発のテーマとして「Ready To Cook/Eat」(時間をかけず美味しく便利)、「Well―Being」(心も身体も心地よい生活)、「Local&Seasonal」(産地・原料へのこだわり)を掲げ、生産段階から原料まで踏み込み、付加価値、独自性、効率を向上させることで、2023年度にはグロサリー部門でのPB売上構成比を25%まで高める考えだ。

イオンは11日、PB「トップバリュ」の新シリーズ「プロのひと品」を発表。第一弾商品として28品(発売済のロイヤル監修商品を含め32品)を同日から順次発売した。価格は別98円から598円までで、年度内に約50品まで拡大させる。

コロナ禍で変化!? スーパーのPB 価格だけじゃない、独自性...の画像はこちら >>
イオン「プロのひと品」(トップバリュ) 「プロのひと品」は、「自宅では味わえない、より本格的な味を手軽に楽しみたい、というお客様のニーズにお応えし、一流料理人の料理哲学、知識と経験による監修で味にこだわりぬいた商品」(同社)と位置付けた差別化商品。商品ラインアップはおでんや肉餃子、ビーフシチューなどで、西麻布「分とく山」の野崎洋光総料理長監修10品、南青山「アクアパッツァ」日高良実シェフ監修11品、南青山「慈華」田村亮介シェフ監修7品。

開発の背景について同社では「新型コロナウイルス感染症の拡大により、飲食の行動が大きく変わっている。
新型コロナの感染拡大前と比べ、自宅で料理をすること、テイクアウト(スーパーの持ち帰り含む)を利用することが増えている。テイクアウトの利用が増えた理由は『外食ができない』『自宅で料理をするのが面倒』『家で作れない料理を食べる』などが上位だが、ワクチン接種が進んだ現在も外食に対する抵抗感は残っていると考えている。そうしたなか『おうちで手軽に本格料理を楽しんでいただきたい』ということで発売した」(同)としている。
編集部おすすめ