満田会長は、食品業界を取り巻く環境について「問題山積」としたうえで、「私の中での第一位」として「大幅な人口減少社会に入ったこと」を挙げた。
第二位として「米」を挙げ、「今後どうなっていくのか。消費も変化するかもしれない。原料価格が極端に上昇することによる収支の悪化、それを回避するための値上げ作業という状況になっていくかもしれない。正常化されるまでどのくらいの期間を要するかも予測不能な状況にある」「農林水産省とも情報交換しながら、いかに伝統的な調味料の業界を発展させていくかを議論したい」と語った。
これに対し、輸出については「絶好の機会を利用させていただき、世界に情報を発信することに努めていきたい」と述べた。増加している訪日外国人旅行者向けに、おいしさ、健康・栄養などの情報を発信するPR活動を展開する必要があるとの考えも強調。「(それを伝えることが)海外でのみその需要創出につながる可能性を秘めている」語った。
満田会長はさらに全味について「これまで行ってきた様々な事業を尊重しながら、これから大いに変化する世の中に対応するため、様々な部分で検討、改革を加えていきたい」とした。
全味の通常総会では役員改選が行われた。正副会長では、理事会を経て、満田会長、中村光一郎副会長(イチビキ)、永江隆志副会長(マルヱ醤油)が再任され、新任の副会長として田中英太郎氏(かねこみそ)が選任された。