
関係者約30人を招き、パビリオンのツアーやアクティビティを実施したほか、チリポークを使った料理やチリワインを提供。
翌日には、都内でもイベントを開催。専門家による技術セミナーや夕食会が行われた。
これに合わせ、業界の幹部が会見。チリカルネ(チリ食肉輸出協会)のファン・カルロス・ドミンゲス会長は「90年代初め、チリの隣国であるアルゼンチンやブラジルはすでに食肉大国だった。チリが同じような競争力を持つためには輸出しかなく、日本をはじめとした有力市場に向けて現地のニーズに合う製品を供給することが重要だった」と語る。
日本のニーズを踏まえて豚の改良を進め、サイズも以前より小型の豚に変えた。約10年前までは供給量の拡大に注力していたものの「単純に量で判断するのではなく、どのように生産しているかが問われるようになってきている。サステナブルか、豚の健康は、抗生剤の使用は――など。そうした質を重視する方向にシフトしてきた」。
「日本では今後10年以上にわたり豚肉、牛肉とも輸入が増えていくだろう」とみるのは、同国Breedr社ディレクターで動物性たんぱく質の専門家であるジャスティン・シェラード氏。
カルロス・ドミンゲス氏㊧とジャスティン・シェラード氏「日本の豚肉輸入先のひとつである欧州は世界最大の産地だが、内需が中心で余剰分を輸出している。
そのうえでシェラード氏は「これら主要2地域を除けば日本に豚肉を輸出できるのはカナダ、ブラジル、チリなどに限られ、選択の幅が狭まる。日本とこれからも継続してビジネスを行いたいという地域が、日本への輸出を続けることになるだろう」と語る。
ドミンゲス氏によれば「チリポークは過去25年にわたり日本と向き合ってきた。ただ近年は増える需要に応えきれていないため、供給の拡大が再び課題になっている」といい、今後1、2年かけて生産量を増やす取り組みを強化する方針だ。