同社はカップ入りスープについて「食べごたえがある」「自分で作るには手間のかかる本格的な1品料理を手軽に食べたい」「栄養バランスが取れている」といった未充足ニーズがあると分析。「食べごたえ」ニーズに応えるため、2024年8月、通常品の2倍のパン量が入ったパンが主役の「じっくりコトコトこんがりパン 超盛」を発売した。
「じっくりコトコト」カップ入りスープの24年度販売実績は前年比5%増。「超盛」シリーズは同社の販売実績、カップ入りスープ市場の活性化に貢献した。通常品は20~40代女性ユーザーが多いが、「超盛」シリーズはそれに加えて20~30代男性ユーザーの流入が見られる。特に「食べごたえ」「満足感」が支持されている。
これに対し、「超盛」シリーズの課題はトライアルの獲得。リピート意向は高いが、認知率、食経験率は通常品に比べ低水準にとどまる。
このトライアルの獲得に向け、既存品のパッケージを「パン2倍量」を分かりやすく伝えるデザインにリニューアルし、新フレーバーを投入した。
新フレーバー「燻製香じゃがいもポタージュ」は、食欲をそそる燻製の香りと黒胡椒の香りが特徴。スモークで燻した原料を使うことでじゃがいもの甘みを引き立てる香りを、できるだけ熱のかからないタイミングで黒胡椒を追加することで食欲をそそる香りを実現した。
「食べごたえ」に加えて「自分で作るには手間のかかる本格的な1品料理」というニーズにも応えるため、3年ぶりにオリジナルパイ具材が入った商品を復活させ、「じっくりコトコト BISTRO仕立て デミグラススープ」を発売した。
「BISTRO仕立て デミグラススープ」は、濃厚なコク深いスープとバターが香るサクサクのパイが合わさった贅沢な味わいが特徴。トマトの旨味が溶け込んだ濃厚なスープで、牛肉エキス、野菜ブイヨンを使用し、ビストロで長時間煮込んだような贅沢な味わいを再現した。
同社は8月19日、新商品説明会を開いた。マーケティング本部ブランドマネジメント部リーダーの佐々木恭子氏はスープ最盛期の11月以降、「超盛」シリーズを中心に積極的なコミュニケーション施策を展開する考えを示し、「TVCM、Web広告、キャンペーンを継続的に行うことで課題であるトライアルの促進を図っていきたい」と述べた。
研究開発本部商品開発研究所の池田暁仁氏は、パイ具材のこだわりについて、独自配合の生地でサクサク食感、洋風スープに合う風香味を実現したこと、空洞が少ない層数でサクサク食感をキープすること、低温でじっくり焼き上げることで均一な焼き具合、サクサク食感を実現したことを紹介。「生地と折り層と焼成にこだわることで、スープと相性抜群のパイ具材、香ばしくてサクサクのパイ具材ができあがっている」と語った。