石井食品 ケンミン食品 家族連れ対象に防災イベント 緊急時の調理とグッズ作りに挑戦
ミートボールと焼ビーフンで即席ミートボールスパゲッティー
石井食品とケンミン食品は27日、東京都江東区有明の東京臨海広域防災公園で、SNSで公募した家族連れなど25人を招き、防災啓発イベントを開催した。9月1日の「防災の日」を起点に防災意識が高まる中、石井食品の「いつでもミートボール」とケンミン食品の「焼ビーフン」を使い、公園内のテントで火起こし方法を学びながら即席でミートボールスパゲッティーを調理。
「猛暑の中でも、瞬時に地震や津波が襲う可能性がある。非常時に身を守り、命をつなぐためには、日常生活で緊急時を想定しながら、無理なく備えることが大切」(石井食品ブランド&コミュニケーション部の池田真里氏)と、防災に対する普段の心構えの重要性を伝えた。

ワークショップでは、社内で唯一の防災士の資格を持つ石井食品の佐々木淳氏(社長室、39歳)の指導で進行。福島出身で昨年の能登半島地震の際にはいち早く被災地に食支援で駆け付けた佐々木氏は、防災への想いは人一倍大きい。「災害大国日本は、地盤がそのものが地震が発生しやすい地形。しかも台風や大雨、火山爆発、山火事など自然災害も多発。そこでワークショップを通して何をするべきか学んでほしい」と挨拶。猛暑時に役立つ防災グッズとして「冷たい保冷剤」と「ペットボトルシャワー」作りにチャレンジ。使い終わったペットボトルにキリで穴を開けて作る「ペットボトルシャワー」は、緊急時の手洗いに便利で、キャップの回転で水が出せる構造に、参加者から驚きに声があがった。

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ミートボールと焼ビーフンで即席ミートボールスパゲッティー食事タイムには「避難所の食事を体験してみよう」と、石井食品の「いつでもミートボール」とケンミン食品の「焼ビーフン」で即席ミートボールスパゲッティーを調理。非常時を想定し、火起こし方法を学びながら、屋外での本格的な調理体験となり、アルミ容器に入れた焼ビーフンに、ミートボールを汁ごと煮込むだけとあって、「家に帰ったら冷蔵庫にストックしてあるミートボールで作ってみよう」と語る主婦もあった。

防災体験学習施設「そなエリア東京」での防災体験では「東京直下72時間ツアー」に参加。
地震発生時に支援体制が整うまで72時間が必要。この間は自力で生き延びなければならないと、地震のために何を備えるべきかを学んだ。

イベント後に石井食品の佐々木氏は、同社の防災食の取り組みを説明。同社は2011年の東日本大震災発生を機に、本格的に保存食・非常食の販売を開始。常温カテゴリーの防災食は、防災対応した看板商品の「いつでもミートボール」「いつでもチキンハンバーグ」が人気。非常食カテゴリーは、おかゆとおかずがセットされた「常温保存食・非常食セット」を発売。「常温で長期保存が可能な商品なので、日ごろから食べて備えるローリングストックを提案。ガスや水道が止まった時に、すぐにそのまま食べられることが喜ばれている」と言う。

佐々木氏は主に小中高校生を対象に防災イベントを実施。年1回だが、防災で競技してもらう防災運動会も実施。「防災には暗い意識がつきまとうが、子どもたちには遊びながら楽しく学ぶことを念頭におきながら防災意識を高めたい」として、防災士の仕事として年に10数回、啓発活動を行っている。「有事の際は食の面は石井食品に頼れば何でも叶えられる、間違いないというような企業を目指している」。
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