一般社団法人日本かまぼこ協会、全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会共催による令和5年度全国蒲鉾業者大会が6月22日、東京・千代田区の学士会館で開催され、去る3月に行われた第74回全国蒲鉾品評会における各賞の受賞者に賞状が授与された。来賓として水産庁や東京都、大日本水産会、駐日アメリカ大使館、駐日インド大使館、味の素、東京海洋大学から関係者が招かれた。


主催者を代表して日本かまぼこ協会の下村全宏会長は、「コロナの5類引下げや人流回復、インバウンド、最高値を記録した東証株価指数など、まさにバブル期のようだ。しかし練り製品業界はすり身の高値、副資材や電気・光熱費の高騰、人件費の高騰など業界を取り巻く環境は厳しい。2024年には運転手の労働時間改善のための基準が適応され、影響を注視している。こうした中で食品業界全体が値上げ傾向にあり、蒲鉾業界も一昨年より3度ほどリリースを公表して業界の窮状を訴え、価格改定の理解を求めた」と厳しい業界の現状を説明。

「業界ではフィッシュプロテイン、すなわち魚肉タンパクの有用性を分かりやすく消費者に認知してもらうため、フィッシュプロテイン体操動画を配信した。7月上旬から東京豊洲市場を皮切りに、大阪中央市場、埼玉スーパーアリーナでのフィッシュプロテインの販促活動も行う。
改めて蒲鉾のおいしさや機能性をアピールし、業界発展に努めてほしい」とし、業界の一致団結を訴えた。

賞状授与に先立ち審査委員長である東京海洋大学の岡崎惠美子客員教授は、「経営環境が厳しい中で、長年培ってきた高品質を維持している製品が多かったことが全般的な印象だ。コロナの苦境を乗り越え、今後の需要変化やコストアップにも対応してほしい。それには製品の付加価値や消費者への訴求力を高め、フィッシュプロテインによる優位性のアピールも忘れてはならない」と講評を述べた。

表彰式では優良組合職員・従業員表彰に続き、品評会における各賞(農林水産大臣賞、水産庁長官賞、東京都知事賞、アメリカ大使館アラスカシーフード賞、インド大使賞、栄誉大賞、技術大賞、大日本水産会長賞、全蒲連会長賞)に賞状が授与された。