『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では「2025年7月5日問題」について語った。
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★今週のひと言「2025年7月5日問題をあらためて振り返りたい」
いまさらなのだが、言わせてほしい。
2025年7月5日。
マジでビックリするぐらい何もなかったね。まさかトカラ列島の地震がそれだったとは言うまいな?
なんの話してるの?ていう人はそれでいい。むしろこんな話をしてしまっている俺のほうこそ恥ずかしい。
恥を承知で説明すると、漫画家・たつき諒氏の作品『私が見た未来』に端を発する最新版の大災害予知だ。
それが2025年7月5日。
東日本大震災の何倍もの被害を日本にもたらすというものだった。ディテールは知らん。読んでないし。外れた今どうでもいいだろう。
もともと俺はこの手の予知や、もっと広くオカルトや都市伝説の類いを一切信用していなかった。
クラブで遊んでいると、定期的に陰謀論や都市伝説に傾倒している人と出会う。皆さん悪気なく、注意喚起のつもりでレクチャーしてくれるのだが、どうにも穴が多すぎる。
そもそもがまた聞きだったり、酔っぱらいだったりするので、こちらの至極当然な疑問や質問にもまともに答えられたためしがなかった。
なのでいつも話半分以下に聞き流し、その日のうちに忘れるような距離感だった。
そしてそれでよかったのだと今回再認識できた。そういう意味ではありがとうだな。
そんな俺だが、つい数ヵ月前、とある都市伝説系ユーチューバーの番組に出演したのを機に、実はそういった類いの話に聞く耳を持つようになっていた。
最初は信じないスタンスだったが、さすがに百戦錬磨の語り部たちの話はおもしろく、俺もチョロいのだが、収録が終わる頃にはすっかり扉を開かれてしまった。
そこから彼の過去動画もたくさん見た。するとタイミング的に最もホットだったのが、2025年7月5日問題だった。
発端こそ一冊の漫画だが、そこにいろんな能力者や、そっち系の知識人がもう乗っかる乗っかる。しかも、答え合わせがすぐ1ヵ月後とかにあるわけだから、さすがにすべてをうのみにしないまでも、気にはなっていた。
仕事や遊びで会った人に「7月5日、どうでしょうね~?」なんて話を何回したか。忘れてほしいわ。
しかも、日本沈没とかのレベルじゃなくて日本人が3分の1ぐらいになる的な話だったから、そうなると少なくとも俺は大丈夫って思っちゃう。晴れ男ってのはそーゆー思考だから。
それでもガチで真に受けていたとしたら、前日ぐらいから家族で安全そうなとこへこもって震えてるしかないけど、俺は当日大阪へ泊まりでLIVEの仕事を入れていた。
まさか「災害予知が出ているからキャンセルで」とは言えまい。つまり気にはしているけど、信じていなかったということだ。
LIVEを終えて朝まで打ち上げをして、仲間たちと件の時間をカウントダウンでやり過ごし乾杯した。ここで終わりでもいいかってぐらい楽しい集まりだった。
結果、拍子抜けするほど何事もなく日常は続行となった。いや、ありがたいんだけどね。
と同時に、せっかく開いた俺の都市伝説やオカルトの扉は再び固く閉ざされることとなった。
そして今は時勢的にも参院選の結果に興味が湧き上がってはいるが、冷静に考えたら参議院か......と。
撮影/田中智久